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2015年12月4日金曜日

サンローラン (Saint Laurent)





鑑賞日:December 4th, 2015
個人的評価:70点

参考情報


世界的な知名度を誇るファッションデザイナー、イヴ・サンローランの栄光と挫折を、1967年からの10年間に焦点を絞って赤裸々に描いたドラマ。多忙を極める一方で重圧や孤独に悩む様子や、アルコールや薬への依存やパートナーとの関係といった衝撃的な出来事までもを映し出す。監督は『メゾン ある娼館の記憶』などのベルトラン・ボネロ。主演を『ハンニバル・ライジング』などのギャスパー・ウリエルが務めるほか、『ある子供』などのジェレミー・レニエなどが共演。ギャスパーによるサンローランの成り切りぶりに注目。(©シネマトゥデイ


ストーリー


1967年、フランス・パリ。イヴ・サンローラン(ギャスパー・ウリエル)は斬新なコレクションを次々と発表し多忙を極めるとともに、カルチャーアイコンとしてもその名をとどろかせていた。しかし、サンローランはプレッシャーから次第にアルコールや薬に依存していく。(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


正に鬼才。美の怪物が新たなトレンドを生み出す時は、僕らには想像も出来ないエネルギーを要するのだと感じた。そこで疲れ果てた精神を回復させるために酒やドラッグに明け暮れる。時に狂気の沙汰と思われる行動にも出るが、常人には理解できないだけで、それもきっと彼の閃きに必要なアクションなのかもしれないと思わせられる。存在しないはずの蛇が急に部屋に登場するシーンがあるのだが、きっとこれも天才にしか見えないひらめきの世界なのだろう。

エレガントで美しい綺羅びやかな世界


世界的トップファションブランドの全盛期を舞台裏から見せてもらっている様な仕上がりとなっており、とにかく目に入る世界が美しい。美形なモデルたちが着こなす色鮮やかな衣装を見ているだけで別世界に感じる。
想像もつかないような闇や苦労の果てに、美しき怪物イヴ・サンローランがフランスというファッションの歴史が根強い地でその才能を大いに発揮する様を見るのは爽快!

美しさの裏に隠されていた知られざる苦悩


裕福な家庭で育ったと言われているイヴ・サンローランは、大きな苦労をする事なく生まれつきのセンスを活かし大成功を収めたというイメージを勝手に持っていたが、まさかこの様な暗黒の苦悩が隠されていたとは意外だった。ライバルがいない彼は、常に新しい物を追求しようと、永遠に終わる事のない自分自身との戦いを繰り広げる。ショーが近づいているのにデザインが出てこないとなると、医者からもらった薬で昼をしのぎ、夜は酒とドラッグでトリップし、ゲイ仲間と肉体関係を持つという日々を送る。とくに夜のシーンは曲のチョイス、そしてボリュームの絶妙な上げ下げにより、まるで見ているこっちもトリップしているような感覚にさせられる。

(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL

華やかさの裏に隠された真実を明かす事で、イヴ・サンローランという人間がリアルに描かれているため、普通の伝記映画と比べて一癖も二癖もある興味深い作品。

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イヴ・サンローランは大の犬好きであり、生涯で4匹もフレンチ・ブルドッグを飼ったと言われている。本作品でももちろん愛犬のMoujikが登場し、犬たちが彼にとってどれほど大切な存在であるかもしっかりと描かれていた。

2015年8月16日日曜日

チャップリンからの贈りもの (La rancon de la gloire)





鑑賞日:August 16th, 2015
個人的評価:65点

参考情報


1978年のスイスで実際に起きた、驚がくの事件をベースにした犯罪劇。映画史に名を残す喜劇王チャールズ・チャップリンの遺体を盗み出し、家族から大金を取ろうとした男たちに待ち受ける運命を活写する。メガホンを取るのは、『神々と男たち』などのグザヴィエ・ボーヴォワ。『ココ・アヴァン・シャネル』などのブノワ・ポールヴールド、『シャドー・チェイサー』などのロシュディ・ゼムらが結集。奇想天外な物語に加え、チャップリンの息子ユージーンと孫娘ドロレスの出演にも注目。(©シネマトゥデイ


ストーリー


1978年、スイスのレマン湖畔。貧しい生活を送り、妻の入院費も払えないオスマン(ロシュディ・ゼム)。そんな中、チャールズ・チャップリン逝去のニュースが流れる。すると親友エディ(ブノワ・ポールヴールド)からとんでもない話を持ち掛けられる。それは埋葬されたチャップリンの遺体を盗み、その返却と引き換えに家族から大金をせしめようというものだった。こうして、犯行に加わることになってしまうオスマン。だが、次々とトラブルが噴出し…(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


貧しい生活を送っているどうしようもない中年二人組が、一世一代の無謀な計画に挑む様を面白おかしく、そしてフランス映画らしくオシャレに描いたヒューマン・ドラマ。派手さは無いんだけど、時間を忘れて何となく見たい時にオススメだと思いました。

間抜けな犯罪計画につい笑ってしまう


本当にこれは実話なのかと思うほどとにかく犯罪計画が間抜けでした。どん底の生活を送っている2人なので必死さこそ伝わってくるものの、既に死んでいる人を人質にするのだからどうしても笑ってしまう。「身代金を支払わないと人質の命は無いぞ!」という誘拐犯のお決まり文句も言えないため、挙句の果てには「とにかく金を払え!」と叫ぶだけの不毛な脅迫シーンも面白い!

懐かしのチャップリン作品が甦る


僕はチャップリン世代では無いのですが実家にはいくつかビデオがあり、親と共にチャップリン作品を見た事がありました。チャップリン映画ではおなじみの音楽以外はサイレントという手法が本作でも使われており、なんだかそんなにチャップリンを知らない僕にとってすら懐かしい感情が蘇りました。展開としてはそんなに重要ではないシーンでも泣いてる人がいたので、チャップリンを思い出してしまう撮り方だったんだなぁと改めて感じてしまいましたね。

チャップリンの遺族がまさかの出演!


個人的に一番ビックリしたのは本作にチャップリンの遺族(息子&孫娘)が出演したという事実。「自分の親が誘拐された話なのにあなた出ちゃうんですか!?」と突っ込みたくなりますが、映画を通してチャップリン家の寛大さや器の大きさを感じる事が出来て最終的には納得しちゃいました。この事件を起こした犯人の遺族にとっては最高の演出でしょうね。

(C) Marie-Julie Maille / Why Not Productions


ハリウッド映画と比較してしまうとどうしても派手さに欠けるフランス映画ですが、これはそこをカバーするオシャレなテクニックが非常に多く詰まっています。
映画の歴史を語る上では避けては通れないチャップリン氏。亡くなってからも映画界に影響を与えるそんな彼を身近に感じられる素敵な作品です。

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フランス映画なのでプードルが出てくる事を期待してましたが、よく考えたら舞台はスイスだったので出てきませんでした。というか犬は一切登場しません。1970年代のスイスでは犬がペットとしてまだ認識されていなかったのかな…