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2014年11月29日土曜日

ブラック・ハッカー (Open Windows)





鑑賞日:November 29th, 2014
個人的評価:70点

参考情報


インターネットで人気女優のプライベートライブ映像をのぞき見た青年が、悪夢のような出来事に巻き込まれていくサスペンススリラー。ネットワークが普及し、誰もが個人情報流出の危機にさらされている現代社会の闇をあぶり出したのは、長編第1作『TIME CRIMES タイム クライムス』などのスペイン出身のナチョ・ビガロンド。主演は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのイライジャ・ウッド、のぞかれる女優を『ガールフレンド・エクスペリエンス』などのサーシャ・グレイが演じる。(©シネマトゥデイ


ストーリー


人気女優(サーシャ・グレイ)とひと時を過ごすことができるという企画に当選したニック(イライジャ・ウッド)。しかし、マネージャーを名乗る男に女優が体調を崩したということでキャンセルされ、代わりに隠し撮りしている彼女の部屋のライブ映像をパソコンで閲覧できるようにしようと提案される。言われるがまま女優のプライベートライブ映像を見たニックは、やがて思いも寄らぬ事態に陥り…(©シネマトゥデイ

感想


インターネットを通して全てがリアルタイムで描かれたとても珍しい映画でした。
ウェブカメラ越し、そしてスクリーン上で全貌を見る作品という意味では今までに感じた事の無い体験が出来るでしょう。

    © 2014 (C) ATRESMEDIA CINE, APACHES ENTERTAINMENT, SAYAKA PRODUCTIONES, LA PANDA PRODUCTIONS

    天才ハッカー同士のITバトルでもあるが、たまにとても天才とは呼べないボロをお互いが出すので、そこらへんはよく考えこまれていなかった。
    でもノートパソコンのスクリーン上で物語が進んでいく映像テクニックは最先端のスキルが詰まっていた。

    © 2014 (C) ATRESMEDIA CINE, APACHES ENTERTAINMENT, SAYAKA PRODUCTIONES, LA PANDA PRODUCTIONS

    セクシーなハリウッドスターのエロ動画が流出させられるという何とも今どきなシーンがあるのだが、実在のハリウッドスターはきっとこういう脅威を常に意識していると考えるとスターも大変だとついつい思ってしまう。
    またポルノ業界でも活躍した有名なセクシー女優であるサーシャ・グレイ@SashaGrey)の演技も脱ぎっぷりも素晴らしかった。
    ストーリーやキャラ設定は日本マンガの「Bloody Monday」と非常によく似ていたが、あれを映像化するのはさすが。

    裏世界のスーパーハッカーがもし本当にいるのであれば、彼らは一体どんな事をするのだろうか。。
    犯罪の手を染めてしまうのか、世の中を良くしようとするのか。
    それとも意味がある事は何もせずにただただハッキングを楽しむのだろうか。
    そんな事を最後に考えてしまう作品でした。



    やっぱ自分もプログラミングとか勉強して最終的にはちょっとしたハッキングも出来るようになりたいなぁと思ってしまった。

    あと、ワンちゃんは登場しませんでした。

    2014年11月27日木曜日

    インターステラー (Interstellar)





    鑑賞日:November 27th, 2014
    個人的評価:97点

    参考情報


    ダークナイト』シリーズや『インセプション』などのクリストファー・ノーラン監督が放つSFドラマ。食糧不足や環境の変化によって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を見つめていく。主演を務める『ダラス・バイヤーズクラブ』などのマシュー・マコノヒーを筆頭に、『レ・ミゼラブル』などのアン・ハサウェイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインら演技派スターが結集する。深遠なテーマをはらんだ物語に加え、最先端VFXで壮大かつリアルに創造された宇宙空間の描写にも圧倒される。(©シネマトゥデイ


    ストーリー


    近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。(©シネマトゥデイ

    感想&見どころ


    人類と宇宙の関係性を表現した壮大な作品であり、SF映画を通して人間の愛が描かれたヒューマンドラマでもあった。
    こんな映画は見た事が無い。
    間違いなく今年最高の作品です!

    本レビューでは特に印象に残った以下の3ポイントを紹介したい。
    • 見たことも無いぐらい美しく映像化された宇宙
    • 究極の父娘愛
    • 人類が最終的に行き着く世界

    見たことも無い美しく映像化された宇宙


    作品中に時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域である「ワームホール」が登場する。そこに近づき飲み込まれるシーンは何故か危険なシーンとは感じずに、宇宙の「神秘」を見事に映像化できていたと思う。
    またゼロ・グラビティでも使われた手法だが、ところどころ完全な無音を差し込む事により、まるで本当に宇宙船内にいる気分となる。

    究極の父娘愛


    ポスターにも書いてあるが、まさにこれは「宇宙を超えた父娘の約束」を描いた作品。
    これ以上はネタバレになるので言えないが、お互いを想う父と娘の愛が起こす人類の奇跡にきっと多くの人が涙してしまうだろう。
    自分には娘がいないのだが、娘が欲しくなってしまうぐらい素敵な父娘関係でした。
    これは本当に「究極」です。

    人類が最終的に行き着く世界


    そして個人的に最も感動したのが、最後に提示された人間が持つ無限の可能性だ。
    これは宇宙だけではなく次元までもを超える壮大なストーリー。
    人類は地球に住めなくなった時に一体どのような行動に出るのか。
    人類の1人として決して人事では無いこの問題について真剣に考えさせてもらえる内容であり、その上で大きな希望を分け与えてもらえる作品でした。

    人類が最終的に行き着く世界は?
    この問に対するクリストファー・ノーラン監督の答えに是非注目してほしい。




    とにかく今年最高の1作なので超オススメです!
    SFが苦手な女性にとっても感動できる内容だと思うので騙されたと思って見てください。

    なお、ワンちゃんは登場しませんでした。

    2014年11月15日土曜日

    パワー・ゲーム (Paranoia)





    鑑賞日:November 15th, 2014
    個人的評価:65点

    参考情報


    ハリソン・フォードゲイリー・オールドマンが共演を果たし、ジョゼフ・フィンダーのベストセラー小説「侵入社員」を映画化したサスペンス。巨大企業のトップとして君臨し互いに激しい開発競争を繰り広げる首脳陣の攻防が展開していく。ライバル社にスパイとして潜入する若手社員を『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのリアム・ヘムズワースが熱演。男たちの野望と狂おしいまでの栄光への執着に戦慄する。(©シネマトゥデイ


    ストーリー


    躍進中のIT企業ワイアット社に勤務するアダム(リアム・ヘムズワース)は、成功のチャンスをつかもうと必死だった。ある日、彼はCEOニック(ゲイリー・オールドマン)の前で新ソフトのプレゼンをするものの失敗し、トップにたてついたせいで本人とチーム全員が解雇されてしまう。やけくそのアダムは仲間と一緒に会社の金で高級クラブに繰り出すが…(©シネマトゥデイ

    感想


    ビジネス現売でのスパイ活動は情報社会と化した現代ではきっと多く行われているだろうが、そんなリアルな事件を題材にした作品。
    超大手IT企業であるワイアット社と、常にその1歩先を進んでいる時代を牽引するIT企業のゴダード。現実世界にもこういった関係性を持つ企業もいるのでどうしてもそこと照らしあわせて見てしまうが、それが逆に面白かった。

      潜入すると5千万円、有力な情報を手に入れたら更に1億円の報酬が手に入るという条件。こんな事を尊敬する社長からお願いされたら自分ならばどうするだろうか。企業が他社の機密情報を本気で欲しいと思った時に、実際にはどういう行動が取られるのか?自分もIT業界で働いている事もあり、ここらへんを気にしながら楽しめた。

      主人公はハンサムでカリスマ性がある魅力的なIT系男子となっており、何だか今どきのアメリカでモテる男性がモデルになっているように感じた。またヒロインは高学歴で仕事も出来てしかも美しい女声となっており、ここらへんもアメリカ女性の目指す人物像が入っていたと感じた。商社で働くちょこっと高給な男性と、気が利くお淑やかな女性がモテる日本と照らし合わせると興味深かった。
      でも大した実績も無い若造が世界最高峰のIT企業に幹部として転職するのは結構無理があったし、例え幹部になれたとしてもあんなに早くCEOとお近づきになれる事は無いと個人的に感じた。もしかしたら小説ではもっとちゃんと時間を使っているのかもしれないけど、映画だと短い分そこらへんのリアリティに欠けた。


      いつか現実世界でこういったスパイ活動が行われて、それを題材にしたリアルな映画が出来る事を期待しています。

      ちなみに、ワンちゃんは登場しませんでした。

      2014年11月8日土曜日

      バードマン あるいは - 無知がもたらす予期せぬ奇跡(Birdman or "The unexpected virtue of ignorance")





      鑑賞日:November 8th, 2014
      個人的評価:90点

      参考情報


      バベル』などのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督を務め、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す。ヒーロー映画の元主演俳優役に『バットマン』シリーズなどのマイケル・キートンがふんするほか、エドワード・ノートンエマ・ストーンナオミ・ワッツらが共演。不条理なストーリーと独特の世界観、まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークにも注目。(©シネマトゥデイ


      ストーリー


      かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め…(©シネマトゥデイ

      © https://www.facebook.com/BirdmanMovie/photos/


      感想


      斬新なアイディアがいくつも重なった事により、今まで誰も見たことのないスーパーヒーロー映画が誕生。見始めると「あれ?ヒーロー映画だと思ってたけど違うぞ…」
      と感じるだろうが、見終える頃には「新しいヒーロー映画だ!」と思うでしょう。

      本レビューでは特に印象に残った以下の3ポイントを紹介したい。
      • ヒーロー映画を知り尽くしたキャスト陣
      • ほぼワンカットで約2時間ぶっ続け!
      • 「舞台」と「映画」を融合した斬新かつ最先端のアイディア

      © https://www.facebook.com/BirdmanMovie/photos


      ヒーロー映画を知り尽くしたキャスト陣


      主役のマイケル・キートンティム・バートン監督のバットマンで初代ブルース・ウェインを演じており、正にスーパーヒーロー映画ブームの火付け役とも言える。そんな彼を落ち目の元スーパーヒーロー役者という設定で起用した事にも驚きだが、それ以外にもヒーロー関連の役者が揃っている。

      才能はあるが性格が最悪な名脇役を演じたエドワード・ノートンインクレディブル・ハルクでハルクを演じている人だし、僕のイチオシであるエマ・ストーン(今回は娘役)はアメイジング・スパイダーマンシリーズでヒロインを演じている。このキャストによるブラックなヒーローコメディはホント最高でした。

      ほぼワンカットで約2時間ぶっ続け


      そして本作品の大きな特徴がカメラワークだ。
      なんと最初から最後まで、ワンカットで撮影しているように見せている。
      恐らく数分間の長い芝居を上手く編集でくっつけてワンカットのように見せているのだが、この撮影手法によりまるで映画の生中継を見ているような不思議な気分になる。この手法を用いた高クオリティーな作品は誰も見た事がないだろう。きっと「技術賞」とか「撮影賞」とか多くの賞を受賞すると思います。

      「舞台」と「映画」を融合した斬新かつ最先端のアイディア


      「元映画スターが舞台に挑む映画」というストーリーだが、舞台のキャスティングからリハーサル、プレビュー(試写会みたいなもの)、そして本番まで全てが先ほど説明したワンカット手法で表現されているので、映画を見ている事を忘れて舞台に来た感じになる。

      また音の演出に明らかにこだわっていて、映画の大部分ではドラムの音が長く続く。このドラムサウンドがまるで舞台を見ているような気分にさせるマジックだと感じた。例えば本場のミュージカルを見た人は分かると思いますが、舞台付近に実際に楽器を生演奏している人がいるのが一般的です。今回はこのドラムサウンドを長く活用する事により、スクリーン横にドラマーがいる気分になる。英語の公式サイトでもこのサウンドが流れているので、ぜひ聞いてみてください。

      3つのポイントを挙げたけど、個人的にはこれらのポイントがサブタイトルでもある "The unexpected virtue of ignorance"(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ともリンクしていると感じており、ここらへんまで含めて非常に深い作品でした。

      © https://www.facebook.com/BirdmanMovie/photos

      最後に上図にも書いてある「ローリングストーン誌」のコメントを紹介したい。

      「真の映画ファンが絶対に見逃さない作品」 

      「真の映画ファン」という定義は人それぞれだけど、例えば映画会社のスタジオ・ツアーに行った事がある人にとってはたまらない映画だと思います。




      なお、ワンちゃんは登場しませんでした。