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2014年6月28日土曜日

トランセンデンス (TRANSCENDENCE)





鑑賞日:June 28th, 2014
個人的評価:93点

参考情報


ダークナイト』シリーズなどのクリストファー・ノーラン監督が製作総指揮を務めるSFサスペンス。亡き科学者の意識がアップロードされた人工知能が進化を果たし、人類や世界を混乱に陥れていく。メガホンを取るのは、『インセプション』『マネーボール』などの撮影を手掛けてきたウォーリー・フィスタージョニー・デップモーガン・フリーマンら、実力派スターが顔をそろえる。電脳化が進む現代に警鐘を鳴らす物語と鮮烈なビジュアルに息をのむ。


ストーリー


人工知能PINNの開発研究に没頭するも、反テクノロジーを叫ぶ過激派グループRIFTに銃撃されて命を落としてしまった科学者ウィル(ジョニー・デップ)。だが、妻エヴリン(レベッカ・ホール)の手によって彼の頭脳と意識は、死の間際にPINNへとアップロードされていた。ウィルと融合したPINNは超高速の処理能力を見せ始め、軍事機密、金融、政治、個人情報など、ありとあらゆるデータを手に入れていくようになる。やがて、その進化は人類の想像を超えるレベルにまで達してしまう。

(C) 2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.


感想


本作ではコンピュータ社会がもたらす「トランセンデンス」(超越)という原題社会のリアルな未来が描かれている。

人工知能を研究する天才科学者ウィルはテロに襲われた事により死が近づく。しかしその意識は同じ天才でもある妻によってスーパーコンピュータにアップロードされ、インストールされる。スーパーコンピュータと天才科学者の融合であるこの意識は、インターネットに繋がる事で世界中のあらゆる情報を駆使し、信じられない進化を短時間に成し遂げ世界まで変えだしてしまう。

人類の進化であると同時に、人類への脅威とも取れるこの状況に対する人類の対処法に注目してほしい。

(C) 2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

コンピュータが人間の知性を超えてしまう現象はシンギュラリティと呼ばれてるらしいが、これはリアル社会における時代のキーワードでもある。これが本当に起こるかどうかという議論は既に終わっており、問題は「いつ起こるのか?」というぐらい身近な未来である。つまり、本作品をサイエンス・フィクションと呼べるのはわずかの間だけかもしれない。そう考えると怖くもなるが、IT界にいる自分としてはやはり少しワクワクしてしまう。

(C) 2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

主演を務めたジョニー・デップは本作品のテーマについて以下の様に語っているという:
「21世紀に入って、人間がテクノロジーを崇拝する姿と、それが人間の未来にもたらす意味を検証するのは重要なことだろ思う。テクノロジーか生態系か、平和主義者か過激主義者か。今ここで自分たちのコンピュータ依存をどこまで許すべきかという問い掛けが必要なのだと思う」
確かに今回のテーマは非常に奥深く、テクノロジーが急激に進化する今だからこそ、人類は時間をかけて真剣に向き合うべきものである。

そういう意味でも人類の一員として、色々考えさせられる内容でした。

(C) 2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

なお、本作品にはもう1つのテーマがあった。
それは究極の「夫婦愛」。

「人類 VS コンピュータ」という壮大なテーマばかりが注目されがちだが、それさえも飲み込んでしまうこの夫婦愛に心打たれる事は間違いない。

ネタバレになってしまうので、これ以上は言えないがとにかく非常に素敵なテーマでした。



ちなみに残念ながらワンちゃんは一切登場しませんでした。
コンピュータが世界を支配する世界になったら犬はどういう位置づけで存在するんだろう。
そんな事も考えてしまう作品でした。

2014年6月22日日曜日

ラストミッション (3 Days to Kill)





鑑賞日:June 22nd, 2014
個人的評価:70点

参考情報

ターミネーター4』などのマックGが監督を務め、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などのケヴィン・コスナーを主演に迎えたアクション。病に倒れた腕利きCIAエージェントが、パリを舞台に極悪非道なテロリストとの最後の戦いに挑む姿を活写する。脚本を担当するのは、数多くのヒット作に携ってきたリュック・ベッソンら。ケヴィンのいぶし銀の熱演が光る主人公の姿に心打たれる。

ストーリー

余命わずかだと言い渡されたCIAエージェントイーサン(ケヴィン・コスナー)は、残された人生を家族と共に過ごすためパリへと向かう。長い間家庭をおろそかにしてきた彼は、難しい年頃の娘ゾーイ(ヘイリー・スタインフェルド)との仲もぎくしゃくしていた。そんな折、CIAエージェントのヴィヴィ(アンバー・ハード)が、イーサンに最後のミッションのオファーをしに来るが…

(C) 2013 3DTK INC.

感想

予告編を見るといつものCIAエージェント系だと思ったが、実際には父と娘の間にある普遍的なテーマに結構重点を置いた内容となっていた。

そんなド派手なアクションは入っていなかったが、シリアスな笑いも入れ込んである楽しめる作品です。

(C) 2013 3DTK INC.

96時間』シリーズのリュック・ベッソンが脚本を担当していた事もあり、パリの伝統的な風景とスリリングなアクションが見事に融合した展開が盛りだくさんだった。

娘のピンチを救う父親を描くのはやはりリュック・ベッソンの得意技だなと感じる。

(C) 2013 3DTK INC.

ちなみにジョニー・デップとの婚約が明らかになったアンバー・ハードも謎の女エージェント・ヴィヴィ役で出演しており、無理やり出演させたのではないかと言うぐらい不思議な立ち位置のキャラだった。

でもボンデージ姿やフェミニンなタイトスカートを着こなすスタイルはさすがです。

(C) 2013 3DTK INC.

スパイものではあるが、ハートウォーミングな家族愛が表現されている本作品。
見終わると家族を大切にしたくなる内容でした。

  

ちなみに主人公が娘に公園で自転車の乗り方を教えるという微笑ましいシーンがあるのだが、その後ろに白いブルドッグが何度か映りこみます。


2014年6月15日日曜日

ノア 約束の舟 (NOAH)





鑑賞日:June 15th, 2014
個人的評価:88点

参考情報

旧約聖書の創世記に記された「ノアの箱舟」の物語を実写化した大作。大洪水による世界滅亡を知らされた男ノアとその家族が、ある重大な使命を全うしようと巨大な箱舟の建造に乗り出していく。メガホンを取るのは、『ブラック・スワン』などの鬼才ダーレン・アロノフスキー。ノアにふんするラッセル・クロウを筆頭に、ジェニファー・コネリーアンソニー・ホプキンスら、実力派スターが共演する。壮大な物語はもちろん、大洪水の描写にも息をのんでしまう。

ストーリー

夢の中で世界滅亡を意味するかのような光景を目にしたノア(ラッセル・クロウ)。それが神からのお告げであり、全世界を飲み込むほどの大洪水がやって来ると悟った彼は、その日から家族と共に一心不乱になって巨大な箱舟を造る。さらに、生命を絶やさぬようにと、この世の全ての種類の動物を次々と箱舟に乗せていく。だが、ノア一家の前に不安に駆られて箱舟を奪おうとする者たちが立ちはだかる。

(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Regency Entertainment (USA) Inc. All Rights Reserved.

感想

映像化は不可能と言われていたらしい人類史上最古にして最大のミステリー「ノアの箱舟」伝説だが、壮大なスペクタクル巨編に仕上がっており、これは観る価値は間違いなくある。
ハリウッド史上前代未聞の大洪水と言われるシーンは特大スケール、でただ圧巻でした。

(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Regency Entertainment (USA) Inc. All Rights Reserved.

しかし何といっても注目してほしいのは実力の高い豪華なキャストだ。
グラディエーター』や『レ・ミゼラブル』で絶賛されたラッセル・クロウ
ビューティフル・マインド』でアカデミー助演女優賞を受賞したジェニファー・コネリー
そして『羊たちの沈黙』や『ヒッチコック』で有名なアンソニー・ホプキンス

ハリウッドの至宝とも呼ばれる3人の名優に加え『ハリー・ポッターシリーズ』のエマ・ワトソン、そして『パーシー・ジャクソン』の主演俳優として知られるローガン・ラーマンという実力と人気を兼ね備えた若手が加わる。

また、若手役は何とオーディションで選抜されたというから驚きだ。

(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Regency Entertainment (USA) Inc. All Rights Reserved.

伝説化された話でもあり、さすがに内容も奥深いし、謎めいていた。
人類が犯した罪は何だったのか?
新世界はどのように創造されるべきなのか?
そもそも何故ノアが選ばれたのか?
次々と湧いてくる疑問を意識しながら観ていくと楽しめる内容となっていた。

また、人類の存続を託されたノアが置かれる超責任感のある立場を考えるだけで逃げ出したくなる話でした。

(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Regency Entertainment (USA) Inc. All Rights Reserved.

人類全体の決断以外にもノアは1人の男として、父親としても重い決断を下さなくてはならない。
そんな家族愛もテーマに入っており、それが人類の進むべき道へのヒントともなっている。

とにかく超大作で、全米でもヒットしているのが頷ける作品です。

  

なお、まだ犬が地球に存在する前の話なので当然まったく登場しません…
でも世界中の動物達がオスとメスのセットで方舟に駆け込むシーンはほんわかします。


2014年6月14日土曜日

ザ・ホスト 美しき侵略者 (The HOST)





鑑賞日:June 14th, 2014
個人的評価:74点

参考情報

トワイライト』シリーズの原作者ステファニー・メイヤーのベストセラー小説を基にしたSFアクション。人間の意識と体を乗っ取る知的生命体ソウルに侵略され、人類が絶体絶命のピンチにひんした近未来が描かれる。日本でもヒットを記録した『TIME/タイム』などのアンドリュー・ニコルが監督を務め、ソウルに寄生されながら人間の魂も宿したヒロインの苦悩を、『つぐない』などのシアーシャ・ローナンが体現する。『ラブリーボーン』などのジェイク・アベル、『赤ずきん』などのマックス・アイアンズ、実力派ダイアン・クルーガーらが共演。

ストーリー

近未来、地球に知的生命体ソウルが襲来。彼らは人間に寄生して宿主の意識を奪い、一方逃げ延びた人類は反撃のタイミングを計りつつ潜伏していた。その中の一人であるメラニー(シアーシャ・ローナン)もソウルの餌食になってしまうが、消えるはずの意識が消えず一つの体に人類とソウルの二つの魂が宿ってしまう。

(C) 2013 The Host Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

感想

知的生命体「ソウル」の侵略に遭う人類というストーリーだが、これが「侵略」と呼べるのかどうかは人によって見解が異なると思うで原題の「ザ・ホスト」だけで良かったと思う。

ただエイリアンの攻め方としては新鮮な方法だったし、最後に投げかけられる人類のエイリアンとの関わり方に関するメッセージは実に興味深かった。

(C) 2013 The Host Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

一度ソウルに寄生されると、体も意識もすべて乗っ取られる。
ほぼ全ての人間に寄生した「ソウル」は人類を滅ぼすわけではなく、人間の欲などをコントロールし、争いの無い世界を作り上げる。

確かに自己中心的な人間は非常に多く、地球の資源や動物たちだけでなく、他人まで苦しめる人もいる。

そんな状況を見かねたエイリアンの提案という見方をすれば恐怖が消えてくると思う。

(C) 2013 The Host Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

あとステファニー・メイヤーの小説を基にしているので、想像通りちゃんとティーンネイジャー同士のラブストーリーも用意されており、人類と「ソウル」の種族を超えた関係とその壁も表現されているので、『トワイライト』はしっかり楽しめるだろう。

(C) 2013 The Host Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

戦争も餓死もない完璧に平和な世界になったとしてもそこに生きる意味はあるのか。
人それぞれに個性があり、それぞれの生き方によって人生の幸福度が変わるから人生は面白いのではないだろうか。そんな事を考えながら観てしまう内容です。

あと、人類に分かりやすい共通の目標を与えると、想像もできない団結力と覚悟を見せるという事はなんだかリアルに思えた。

でも本当にこういう状況になったら人類は一致団結するのかな…
そんな事も考えてしまいました。

  

なお、本作品には犬は特に出てこなかったと思います…


2014年6月8日日曜日

ニード・フォー・スピード (Need For Speed)





鑑賞日:June 8th, 2014
個人的評価:38点

参考情報

世界的な人気レーシングカーゲームを原案にしたカーアクション。天才レーサーが自分を裏切り陥れたかつての相棒に復讐すべく、危険な公道レースに挑む。『ネイビーシールズ』などのスコット・ウォーが監督を務め、フォード・マスタングやランボルギーニなど世界のスーパーカーが多数登場し迫力のレースシーンが展開。テレビドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズなどのアーロン・ポールを筆頭に、『17歳の肖像』などのドミニク・クーパーらが共演する。

ストーリー

天才的なドライビングテクニックを持つレーサーのトビー(アーロン・ポール)は、パートナーのディーノ(ドミニク・クーパー)に裏切られぬれぎぬを着せられてしまう。そのリベンジを果たすため、彼はチューンアップされたスーパーカーが目にも留まらぬスピードで疾走する危険なストリートレースに挑む。ライバルたちの妨害や警察が執拗に追跡する中、ゴールに向かってひた走るトビーだったが…

(C) 2014 DreamWorks ll. Distribution Co. All Rights Reserved.

感想

数億円の価値がある超高級スーパーカー同士が最高に危険な公道レースでしのぎをけずる迫真のカーバトルアクション。

Playstationで遊んだ事がある人であれば必ず聞いた事があるぐらい有名なカーアクションゲーム「ニード・フォー・スピード」を実写化した作品。

(C) 2014 DreamWorks ll. Distribution Co. All Rights Reserved.

「改造車」とか「非合法なレース」が含まれる映画といえばやはり「ワイルド・スピード」シリーズを連想してしまうと思うが、それと比較してしまうとどうしても残念な評価になってしまうが、楽しめる部分も多々あった。

なんといっても世界の名車が数々登場し、主人公が乗るシェルビー・マスタング(アメリカ)をはじめ、ケーニクセグ・アゲーラR(スウェーデン)、ランボルギーニ・エレメント(イタリア)、ブガッティ・ヴェイロン(フランス)、GTAスパーノ(スペイン)、マクラーレンP1(イギリス)、サリーンS7(アメリカ)など、マニアにはたまらないらしい世界のスーパーカーが続々登場する。

(C) 2014 DreamWorks ll. Distribution Co. All Rights Reserved.

ただ、ドミニク・クーパーを除き、キャストは物足りなく感じてしまうし、脚本やキャラクターも魅力的なモノではなかった。

「ニード・フォー・スピード」のゲームを出しているEA SPORTSの意見が強く反映されたのではないかと勝手に予想しているのだが、「あれもやりたい、これもやりたい」と初めて映画作りに関わった偉い人のワガママが詰め込まれているように関してしまう作品だった。

(C) 2014 DreamWorks ll. Distribution Co. All Rights Reserved.

ちなみにアーロン・ポールが演じる主人公トビーと元パートナーのディーノ(ドミニク・クーパー)が描くライバル関係が凄まじく、この戦いが物語の全てを語っている。

カネと地位を武器に浅い関係の仲間を増やしていくディーノと、信頼できる仲間達に支えられたトビーの対照的な勝負に対する姿勢が激突する時に生まれる様々なバトルから目が離せない。

  

なお、今回は犬が少しだけ登場します。仮釈放された直後にまた警察に追われる状況となったトビーが、給油のために訪れた田舎のガソリンスタンドでたまたま近くを通りかかった警官を見かける。とっさに停車していたトラックの後ろに隠れるトビーだが、その荷台には犬が乗っており、不信感を抱いたそのワンちゃんがトビーに向かって吠え続けるという微笑ましいシーンでした。

中盤ぐらいに登場するのでお見逃しなく!