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2013年7月16日火曜日

ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE




鑑賞日:July 16th, 2013
個人的評価: 89点

参考情報


セクシーな女優やアイドルからのキスの誘惑を芸人たちが即興芝居をしながら耐える、バラエティー番組「ゴッドタン」の名物企画を映画化した異色作。記憶をなくした元暗殺者という設定のキャラクターにふんした劇団ひとりが、キスを求めてくる美女やゾンビ、敏腕刑事と対峙する姿を全てアドリブで演じ切る。彼をモニター室から見守るおぎやはぎバナナマンのレギュラー陣に加え、番組で劇団ひとりと歴戦を重ねた『nude』のみひろのほか、やべきょうすけ竹内力ら、バラエティーに富んだ顔ぶれが集結する。


ストーリー


旅番組のロケと聞かされるも、なぜか頬にメイクを施された劇団ひとり。ロケバスを降りると、何と「24時間キス我慢選手権」の開始を告げられる。自分の演じるキャラクターや舞台の設定を必死につかもうとする劇団ひとりの前に、犯罪組織“赤い闇”の女暗殺者、劇団ひとりと共に赤い闇で暗殺者として育成されたという男、ゾンビの群れ、連続猟奇殺人事件を追い掛ける刑事など、ワケありクセありな人物が次々と現われる。アドリブで破天荒な物語を紡ぎつつ、事有るごとに押し寄せるキスの誘惑と戦う劇団ひとりだが…

(C) 2013「キス我慢選手権 THE MOVIE」製作委員会


感想


日本映画に新たなジャンルが生まれたと素直に感じた。
作品を見ながら「これは本当に映画なのか?」と何度も思ったが、全部見終わって改めて考えてみると、新しい形ではあるものの、これも確かに映画だと感じた。

とにかく劇団ひとりの見事なアドリブに舌を巻く。
事前に何も聞かされていない人とは思えないほど堂々としていて、むしろ他の役者よりも先の展開が彼には見えている様だった。

劇団ひとりは徐々にこのオールアドリブというスタイルに慣れていき、最後の方ではまるで台本を読み込んできたプロの俳優の様に違和感の無い演技を見せていた。

シリアスな展開になればなるほど台詞が面白く聞こえてしまうこの不思議な感覚を是非体験して頂きたい。

ゴッドタンメンバー以外だと渡辺いっけい、竹内力、京本政樹、武蔵、そしてミッキー・カーチスなどの豪華俳優陣が登場し、作品に安定感をもたらしていた。
ちなみに東京03メンバーやバカリズム、そしてあいなとかも出てきて何故か嬉しかった。

個人的に特にピックアップしたいのは岩井秀人みひろ
ゴッドタンの通常放送で砂漠の死神こと劇団ひとりと名コンビを組んだ岩井秀人は本作でも劇団ひとりの名言を上手く引き出しながら物語まで進行する技を魅せつけた。
劇団ひとりのちょっと分かりづらい言動もさり気なくフォローしており、視聴者の興味を常に惹きつけていた。
またキス我慢をここまで大きくさせたキャラみひろの存在感も圧倒的だった。
やはりキス我慢と言えばみひろだよねと思わせてくれる色気と魅力が存分に出ていた。

そして最も革命的だと感じたのはおぎやはぎバナナマン、そして松丸アナウンサーが視聴者とほぼ同じ目線で展開を追いかけるというアイディアだ。
彼らはただ見ているだけでなく、どの部分が笑えるのかを面白おかしく説明したり、展開として少し矛盾を感じた時には大声でツッコむなどして、作品として足りない部分を別の笑いで上手く補っていた。

この裏実況がある事により、視聴者はストーリーについていけなくなる事は無いし、何よりも面白いシーンでは一緒に声を出して笑ってしまうだろう。

自分も一人で見ていたのに、どことなく「みんなで見てる」気持ちとなり、その雰囲気がおかげか大いに笑えた。このアイディアは本当に革命的だ。


日本のバラエティはやはりスゴイ。
もしこの作品が英語だったら自信を持って世界に紹介できるコンテンツだね。
絶対オススメです。

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