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2015年12月31日木曜日

【2015年まとめ】毎年劇場で50本以上見る帰国子女が選ぶ洋画ランキングTOP5!


今年も無事に劇場で50本以上(52本)の映画を観る事ができました!
これで4年連続の目標達成しただけでなく、レビュー数も250本を超えてきました。

という事で毎年恒例の」劇場で観てよかった洋画TOP5の発表です。
なお、過去のランキングは以下からどうぞ!

ちなみに 2015年の日本における洋画興行収入ベスト10は以下の通り

  1. ジュラシック・ワールド』:95億円
  2. ベイマックス』:91億8,000万円
  3. シンデレラ』:57億3,000万円
  4. ミニオンズ』:52億1,000万円
  5. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』:51億1,000万円
  6. インサイド・ヘッド』:40億3,000万円
  7. ワイルド・スピード SKY MISSION』:34億2,000万円
  8. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』:32億円
  9. ターミネーター:新起動/ジェニシス』:27億3,000万円
  10. テッド2』:25億円
2015年の洋画作品別興行収入上位作品は文化通信社から発表。

ミニオンズ』以外は全て劇場で観ましたが、どれも見応えのあるハリウッドらしい作品でした。このランキングが公開された時点では、今年最大の話題である「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が公開されていなかったので順位も少し変動しそうですね。

それではさっそく第5位から順に見ていきましょう。
(作品のタイトルをクリックするとより詳細なレビューが見れます)


第5位

ストレイト・アウタ・コンプトン(Straight Outta Compton)



良い音楽が鳴り出すと人はつい耳を傾ける。その音楽にフィットした歌詞があれば人はリズムを刻み出す。その歌詞が頭に入ってくれば人は口ずさむ。こうなったらその人の心は音楽と言葉が持つ偉大なパワーによって動かされる。この連鎖が社会をも動かす!
これは音楽と言葉を巧みに操り、「コンプトン」という何もない街からアメリカ全体を変革させたヒップホップグループの壮絶な物語。ヒップホップ好きは必見です。

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第4位

インサイド・ヘッド(Inside Out)



大人であれば誰もが体験してきた「成長」という過程。言葉ではどうしても説明する事が出来なったこのイベントを、頭の中に存在する様々な感情たちをキャラクター化する事により非常に分かりやすく表現したピクサーならではの素敵なアイディア。老若男女問わず全ての人に観てほしい本年度イチ押しの映画!



第3位

ワイルド・スピード SKY MISSION(Fast & Furious 7)


ジェイソン・ステイサムが演じるシリーズ最強の敵がとにかく強すぎる!もちろんドライビングテクニックも一級品の彼には付け入る隙がない!ドローン型の戦闘機や「ゴッド・アイ」という世界ハッキングシステムが登場するなど今回はIT色がいつに増して強くなっている。
本作の撮影中に不慮の事故で亡くなったポール・ウォーカーへの想いが終盤で表現されているが、このシリーズに関わった全ての人達の彼に対する愛情が詰め込まれており胸が熱くなった。特にWiz Khalifaがこのために書き下ろした「See You Again(このYouTube動画は8ヶ月で13億再生!!)にはジーンと来てしまう。ラストシーンもポールを天国へ送る粋な演出でいっぱいなのでお楽しみに!





第2位

キングスマン(KINGSMAN: The Secret Service)


常識破りのスパイ映画!これはスパイ映画の新たな金字塔を打ちたてたと思う。
007よりも僕は断然こっちが好き。ストーリーが非常によく作りこまれていると思ったら、グラフィック・ノベル発の作品だという事で納得。キャスト、アクション、音楽、全てにおいて文句なしの組み合わせで大満足!ユニークなスパイグッズを駆使した痛快アクションも文句なし!そして悪役のサミュエル・L・ジャクソンもカリスマ性があるキャラのヴァレンタインを演じており、そのビジネスセンスは悪役ながらあっぱれ!




第1位

セッション(Whiplash)



第87回アカデミー賞®で助演男優賞録音賞編集賞の3部門を受賞したにも関わらず評価は賛否両論という注目の話題作。スポーツや芸術などで血を吐くほど自らを追い込んでまで高みを目指した事のない人にとっては理解不能でクレイジーなシーンばかりの映画に思えるだろうが、僕ら体育会系にとっては痛いほど気持ちが分かる傑作。
「体育会 = 筋肉バカ」と一度でも思った事のある人には是非みてほしい。
とにかく最高に面白かったし、これは映画史に名を刻むでしょう。




ちなみにiTunesが選ぶ今年のベストも参考になりますよ


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まとめ


今回のランキングは2〜4位が多額の予算をつぎ込むいわゆるブロックバスター系(大作タイプ)なので万人にウケる作品でしたが、1位と5位はニッチなテーマを取り上げてる事もあり、共感してくれる人は少ないかもしれません。でも実在する世界を基にリアルなメッセージを訴えかけ、人の心を動かすタイプの映画である『セッション(Whiplash)』と『ストレイト・アウタ・コンプトン』(Straight Outta Compton)は本当に評価すべき作品ですし、こういったタイプの映画が日本でもより多く上映される様になってほしいですね。そういう意味でも『セッション(Whiplash)』が第87回アカデミー賞®で助演男優賞録音賞編集賞の3部門を受賞した事実は大変大きな意義があると感じました。

おわりに


今回の投稿を最後に約5年間書き続けた「帰国子女の洋画レビュー」を一旦休止する事にしました。再開するかはまだ分かりません。

そもそも日本で義務教育を受けた事のない帰国子女である僕の日本語力を磨くために始めたこのブログですが、そろそろ次のステップに移るべき時期なのかなと思いました。
まだまだミスも多く、そんなに日本語力も上がった訳ではないのですが、少なくとも最近は帰国子女だという事がバレないようになってきました。

という事で突然ではありますが、今まで「帰国子女の洋画レビュー」を読んでくださった皆様ありがとうございました!

それでは良いお年を!!

(※Twitterは続けるので良ければフォローお願いします〜)

2015年12月30日水曜日

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 (STAR WARS: The Force Awakens)





鑑賞日:December 30th, 2015
個人的評価:86点

参考情報


SF映画の金字塔にして世界中で愛され続ける人気シリーズの新3部作第1章で、『スター・トレック』シリーズなどのJ・J・エイブラムスが監督を務めた超大作。ジョン・ボイエガデイジー・リドリーオスカー・アイザックアダム・ドライバー、旧シリーズのマーク・ハミルハリソン・フォードらが出演。新たなエピソードやキャラクターと共に、最新鋭の技術とリアルなセット撮影を融合した映像にも期待。(©シネマトゥデイ


ストーリー


ジェダイの帰還』から約30年後を舞台に、フォースを巡る全く新しい“家族の愛と喪失の物語”が描かれる。砂漠の惑星で家族を待ち続けている孤独なヒロイン、レイの運命は“ある出会い”によって一変することに…。
旧シリーズの不朽のキャラクターたちに加えて、重要なカギを握るドロイドBB-8、ストームトルーパーの脱走兵フィンなどが登場。世界中が注目する悪役は十字型のライトセーバーを操るカイロ・レン。(©http://starwars.disney.co.jp/movie/force/about.html

(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.


感想&見どころ


遂に見てきたよ。僕の周りはこの作品の話題が多かったけど、無事にネタバレを聞かされずに見れました。色んな進化が詰め込まれているけど、それ以上に古き良きスター・ウォーズの特徴がしっかりと残されているので、旧シリーズのファンに向けた愛を感じた。

10年&30年分のあらゆる進化


2005年に公開された『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』から10年の時を経て遂に公開されたスター・ウォーズの新作品。エピソード6の『ジェダイの帰還』から約30年後を舞台に描かれているのが今回のエピソード7。
まず目につく進化は新ドロイドBB-8。R2-D2の進化版と思われるBB-8は球体型なので坂道や岩道などもスイスイと進む事ができる等とにかく機動性が進化している。
他にも今回の悪役は十字型のライトセーバーを使いこなしており、これは柄の部分に触れるだけでも敵にダメージを与えられる代物。
更には敵軍が開発した新型兵器は太陽エネルギーを利用するなどちょっとエコな感じもしているが、これが10年間で進化した最新の映像技術を取り入れた大迫力のエネルギー大砲となっているので乞うご期待!

古き良きスター・ウォーズの世界


昔からのファンを惹きつける旧シリーズのキャラもちゃんと登場する。チューバッカとハン・ソロの名コンビはもちろん、レイア姫やR2-D2、そしてC-3PO出てくるよ!
何より嬉しいのがミレニアム・ファルコンの活躍でしょう。ハン・ソロが新キャラ達と組んでまたこの船で宇宙を駆けまわるシーンは最高。
宇宙戦争シーンも昔懐かしい「チュン・チュン」といった全然当たらないレーザービームの撃ち合いが再現されているし、冒頭のオープニングクロールも昔のままだった。こういう昔懐かしい部分はちゃんと昔のままで再現されているのは憎い演出。

(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.


たくましくカッコ良い新ヒロインのレイ


敵軍から脱走したストームトルーパーのフィンというまさかの新キャラもいたが、やはり注目は新ヒロインのレイ。もうビジュアルの通りなんだけど、キレイでたくましい、そして非情にカッコ良いヒロインなのです。彼女を演じているのは92年生まれのイギリス人であるデイジー・リドリー。まだ20代前半という事で若さあふれるアクションシーンは圧巻。それ以外にも感情豊かな表現や、時々見せる大人っぽさも最高。ほぼ無名の彼女を使うキャスティングもさすがだけど、彼女のポテンシャルをここまで引き上げたのもスター・ウォーズが持つ力なのかもしれない。

(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

これだけ世間で注目されている作品なのに、しっかりその期待に応えているのはさすが。
これは見て損はない作品。オススメです。

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遠い昔、遥か彼方の銀河系での話なので犬は一切出てこないよ。

2015年12月29日火曜日

ストレイト・アウタ・コンプトン(Straight Outta Compton)





鑑賞日:December 29th, 2015
個人的評価:91点

参考情報


アイス・キューブドクター・ドレーら、大物ラップアーティストが結成していた伝説的グループN.W.A.の軌跡に迫る実録音楽ドラマ。カリフォルニアの中でも犯罪発生率の高いコンプトンで、彼らがラップで成功をつかんでいく姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、『完全なる報復』などのF・ゲイリー・グレイアイス・キューブの息子のオシェア・ジャクソン・Jrやポール・ジアマッティらが結集する。波瀾万丈を極めたドラマはもちろん、全編に響き渡るストリートの苛酷さを訴えたラップにも心を奪われる。(©シネマトゥデイ


ストーリー


1986年、カリフォルニアのコンプトン。アメリカ屈指の犯罪多発地域として知られる同地に暮らす、アイス・キューブ(オシェア・ジャクソン・Jr)、ドクター・ドレー(コーリー・ホーキンズ)ら5人の若者はヒップホップグループN.W.A.を結成する。危険と隣り合わせで、先の見えない毎日を強いられている不満や怒りをビートとリリックに乗せて吐き出す彼らのサウンドは、瞬く間に絶大な人気と支持を集める。しかし、名声を得た彼らに社会からの偏見や仲間の裏切りといった苦難が降り掛かる。(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


ヒップホップ好きなら絶対見るべき作品。どうやったらあの様なリリック(歌詞)が生まれるんだろうといつも思ってたけど、これを見て謎が少し解けた!『 ストレイト・アウタ・コンプトン』という邦題も原題のままで素敵。
日本では限定的にしか公開されていないぐらいちょっとニッチな分野だけど、ヒップホップというジャンルが確立しているアメリカでは大ヒットした本作品。日本ではあまり知られていないドクター・ドレーという存在もアメリカでは超有名人なのだ。ちなみにAppleのiTunesで働いている僕の自慢はドクター・ドレーが同期入社であるという事!(`・∀・´)ノドヤ

音楽と言葉が持つ偉大なパワー


良い音楽な鳴り出すと人はつい耳を傾ける。その音楽にフィットした歌詞があれば人はリズムを刻み出す。その歌詞が頭に入ってくれば人は口ずさむ。そうなればその人の心は音楽と言葉が持つ偉大なパワーによって動かされる。これが増えれば社会が動く。当たり前だと信じ込まされていた事も変える事が出来る!
これは音楽と言葉を巧みに操り、「コンプトン」という何もない街からアメリカ全体を変革させたヒップホップグループの壮絶な物語。

リアルな生活を歌う“DOPE”なラップ


音楽に合わせる歌詞はラップとして吐き出される。「コンプトン」の様な地域に住む当時の黒人達が白人から受けた差別攻撃を生々しくラップとして最高の音楽に乗せるN.W.A.のパフォーマンスは圧巻。その中でもアイス・キューブ役の(オシェア・ジャクソン・Jr)が歌うラップが特に“DOPE”(最高)!と思ったらオシェア・ジャクソン・Jrってアイス・キューブ本人の息子なのね!そりゃ上手いわ!

©http://soc-movie.jp/


ヒップホップ界最高のサクセス・ストーリー


紆余曲折はあったけれども、N.W.A.に影響を受けてヒップホップ界に足を踏み入れた人は数多い。それだけあの当時、N.W.A.は多くの若者の心を動かした。いまではそれぞれが別の活動を行っているが、彼らが起こした行動は今も語り継がれており、これからも伝説として残っていくだろう。また1年後ぐらいに見返したい作品です。

©http://soc-movie.jp/

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冒頭で麻薬の売人宅に警察が乗り込むシーンがあるんだけど、その逃走シーンで売人が犬に吠えられる。あと、ドクター・ドレーが2PACとレコーディングをしているすぐ隣りの部屋でレーベルの共同オーナーがパーティーをしているシーンにもワンちゃんが出てくるよ。

2015年12月25日金曜日

完全なるチェックメイト (Pawn Sacrifice)





鑑賞日:December 26th, 2015
個人的評価:85点

参考情報


マイ・ブラザー』などのトビー・マグワイアが実在の天才チェスプレイヤー、故ボビー・フィッシャーを怪演した白熱の心理ドラマ。米ソの冷戦時代、盤上での代理戦争を死にものぐるいで戦ったアメリカの奇才対ソ連チャンピオンの手に汗握る対戦を活写する。貫録ある世紀のライバルを『ラスト・デイズ・オン・マーズ』などのリーヴ・シュレイバーが熱演。変わり者の奇才の波瀾万丈の人生と、緊張感あふれる頭脳戦に手に汗握る。
(©シネマトゥデイ


ストーリー


1972年、アイスランドで行われたチェス世界選手権で、ボビー・フィッシャートビー・マグワイア)とボリス・スパスキーリーヴ・シュレイバー)が対戦する。長きにわたりソ連がタイトルを持ち続けてきたが、史上初のアメリカ人挑戦者が誕生。若き天才の登場に世界中が注目する中、ボビーは第2局に出現することなく不戦敗となり…
(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


まさに国の威信をかけた盤上の戦い。手に汗握る対局シーンではつい何度も唾を飲んでしまう。この狂気に満ちた命がけのバトルは対局開始前から既に始まっており、色んな意味で世界最高のチェスマッチが楽しめる作品。

極限の対決が生み出した神の一手


「世界が震えた神の一手」というコピーがポスターや予告編で使われているが、この究極の一手がどのようにして生まれたかが多くの時間をかけて描かれている。

世界が注目している一戦なのに、「テレビカメラが無い部屋でしか対局はしない」など無茶な要求を出し続けるボビー。彼が持つこの傲慢さは同時に彼の弱さをも映し出しているようにも思えるが、全ての言動の末に生まれたのが神の一手であるという風にも捉えられる。

これは果てしなく計算された一手だったのか?それとも天才同士の対局によって生まれた偶然の産物なのか。。僕は「言い訳にしか聞こえないボビーのあり得ない要求の裏に隠された一手!」と感じた。

神の領域にいるからこそ見える世界


僕の好きな作品で、同じく天才を思考を描いたヒッチコックもそうだったけど、やはり天才にしか見えない世界があると今回も感じさせられた。この世界を巻き込んだ世紀の一局を通して、ボビーには全てが見えてしまったのだろう。その結果が自国との決裂であり、きっとその後の亡命にも繋がった。精神的な病を持ったと認定される人と国家が恐れる驚異の天才は紙一重だと改めて認識させられる。ヒッチコックとボビーの違いは、支えてくれている人々と本人との関係性。

(C) 2014 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Tony Rivetti Jr.


アンチヒーローと彼の取り巻く人々


彼を取り巻く人々の狙いは一体何だったのか。ブルックリン育ちの青年がソ連という一国を打ち倒す構図が見たいがために周りの人々はボビーをサポートしたのだろうか。アメリカ大統領までもが関心を示す盤上の戦いは、本当に国の威信だけを賭けたものだったのか。それよりも大きい何かが裏で動いているようにも感じたが真相は誰にも分からないのだろう。唯一ハッキリしている事はボビー・フィッシャーとボリス・スパスキーの両方が、それぞれが代表した国のPawnだったという事。そして彼らのPawn(ポーンというチェスの駒)としての人生は国のために犠牲になる事で幕を閉じる。「Pawn Sacrifice」という原題に隠された意味はこれ以上分からないが、ぜひ日本語タイトルも変えてほしくないほど深いメッセージが詰まっているね。

(C) 2014 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Tony Rivetti Jr.

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残念ながら犬は一切出てこない。

2015年12月18日金曜日

ディーン、君がいた瞬間 (LIFE)





鑑賞日:December 18th, 2015
個人的評価:65点

参考情報


ハリウッドの伝説的スターであるジェームズ・ディーンと天才写真家デニス・ストックの若き日の友情を描く青春ドラマ。初主演作『エデンの東』の試写を観たデニスがジェームズに密着し、刺激を受け合い友情を築き、歴史に残る写真が生まれる瞬間を映す。『誰よりも狙われた男』などの監督兼写真家のアントン・コービンがメガホンを取り、ジェームズを『クロニクル』などのデイン・デハーン、デニスを『トワイライト』シリーズなどのロバート・パティンソンが演じる。才能ある若者たちの奇跡的な出会いに驚かされる。(©
シネマトゥデイ


ストーリー


1955年、写真家のデニス・ストック(ロバート・パティンソン)は映画監督のニコラス・レイ(ピーター・ルーカス)主催のパーティーで、ジミーことジェームズ・ディーン(デイン・デハーン)に出会う。ジミーの出演作『エデンの東』を観てその演技に衝撃を受けたデニスは、フォトエッセイを撮ることを決意。最初は警戒していたジミーだったが、デニスが写真を撮り始めたきっかけを聞いたことで…(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


天才と呼ばれたハリウッドスターの素顔を見れる貴重な作品。また映画の主役がどのように決まるかや、プレミア上映会の舞台裏など映画界の人しか見る事のない世界が見えるのも本作品の魅力の1つ。派手な出来事が用意されている作品では無いけれど、何故か心には残る映画。

伝説の役者が歩んだ人生の一瞬に注目


あまりにも短すぎたジェームズ・ディーンの一生を描いた伝記映画だと予想していたが、そんな単純な内容ではなかった。写真家デニス・ストックとの人生最後の旅である故郷への帰省というたった2週間程度の出来事がたっぷりと丁寧に、そしてリアルに描かれている。謎とされるジェームズ・ディーンの思考が垣間見える部分もあるが、結局彼の頭の中は一瞬しか覗き込めない。でもデニス・ストックがの残したあの有名な写真の裏側が覗けるのはファンにとっては堪らないのだろう。

アーティスト同士の不思議な交流


最初はデニスからディーンへの一方通行の尊重だったが、徐々にディーンもデニスを友人として認め、心を開いていく。役者と写真家という全く異なる職業ではあるが、それぞれが持つアーティストとしてのこだわりが2人をどんどん惹き寄せていく。
最終的にはお互いに認め合い、その信頼から芸術的な写真が生まれる過程が素敵に表現されていた。

Photo Credit:Caitlin Cronenberg, (C) See-Saw Films

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犬は登場しなかったと思う。

2015年12月4日金曜日

サンローラン (Saint Laurent)





鑑賞日:December 4th, 2015
個人的評価:70点

参考情報


世界的な知名度を誇るファッションデザイナー、イヴ・サンローランの栄光と挫折を、1967年からの10年間に焦点を絞って赤裸々に描いたドラマ。多忙を極める一方で重圧や孤独に悩む様子や、アルコールや薬への依存やパートナーとの関係といった衝撃的な出来事までもを映し出す。監督は『メゾン ある娼館の記憶』などのベルトラン・ボネロ。主演を『ハンニバル・ライジング』などのギャスパー・ウリエルが務めるほか、『ある子供』などのジェレミー・レニエなどが共演。ギャスパーによるサンローランの成り切りぶりに注目。(©シネマトゥデイ


ストーリー


1967年、フランス・パリ。イヴ・サンローラン(ギャスパー・ウリエル)は斬新なコレクションを次々と発表し多忙を極めるとともに、カルチャーアイコンとしてもその名をとどろかせていた。しかし、サンローランはプレッシャーから次第にアルコールや薬に依存していく。(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


正に鬼才。美の怪物が新たなトレンドを生み出す時は、僕らには想像も出来ないエネルギーを要するのだと感じた。そこで疲れ果てた精神を回復させるために酒やドラッグに明け暮れる。時に狂気の沙汰と思われる行動にも出るが、常人には理解できないだけで、それもきっと彼の閃きに必要なアクションなのかもしれないと思わせられる。存在しないはずの蛇が急に部屋に登場するシーンがあるのだが、きっとこれも天才にしか見えないひらめきの世界なのだろう。

エレガントで美しい綺羅びやかな世界


世界的トップファションブランドの全盛期を舞台裏から見せてもらっている様な仕上がりとなっており、とにかく目に入る世界が美しい。美形なモデルたちが着こなす色鮮やかな衣装を見ているだけで別世界に感じる。
想像もつかないような闇や苦労の果てに、美しき怪物イヴ・サンローランがフランスというファッションの歴史が根強い地でその才能を大いに発揮する様を見るのは爽快!

美しさの裏に隠されていた知られざる苦悩


裕福な家庭で育ったと言われているイヴ・サンローランは、大きな苦労をする事なく生まれつきのセンスを活かし大成功を収めたというイメージを勝手に持っていたが、まさかこの様な暗黒の苦悩が隠されていたとは意外だった。ライバルがいない彼は、常に新しい物を追求しようと、永遠に終わる事のない自分自身との戦いを繰り広げる。ショーが近づいているのにデザインが出てこないとなると、医者からもらった薬で昼をしのぎ、夜は酒とドラッグでトリップし、ゲイ仲間と肉体関係を持つという日々を送る。とくに夜のシーンは曲のチョイス、そしてボリュームの絶妙な上げ下げにより、まるで見ているこっちもトリップしているような感覚にさせられる。

(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL

華やかさの裏に隠された真実を明かす事で、イヴ・サンローランという人間がリアルに描かれているため、普通の伝記映画と比べて一癖も二癖もある興味深い作品。

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イヴ・サンローランは大の犬好きであり、生涯で4匹もフレンチ・ブルドッグを飼ったと言われている。本作品でももちろん愛犬のMoujikが登場し、犬たちが彼にとってどれほど大切な存在であるかもしっかりと描かれていた。