鑑賞日:December 4th, 2015
個人的評価:70点
参考情報
世界的な知名度を誇るファッションデザイナー、イヴ・サンローランの栄光と挫折を、1967年からの10年間に焦点を絞って赤裸々に描いたドラマ。多忙を極める一方で重圧や孤独に悩む様子や、アルコールや薬への依存やパートナーとの関係といった衝撃的な出来事までもを映し出す。監督は『メゾン ある娼館の記憶』などのベルトラン・ボネロ。主演を『ハンニバル・ライジング』などのギャスパー・ウリエルが務めるほか、『ある子供』などのジェレミー・レニエなどが共演。ギャスパーによるサンローランの成り切りぶりに注目。(©シネマトゥデイ)
ストーリー
1967年、フランス・パリ。イヴ・サンローラン(ギャスパー・ウリエル)は斬新なコレクションを次々と発表し多忙を極めるとともに、カルチャーアイコンとしてもその名をとどろかせていた。しかし、サンローランはプレッシャーから次第にアルコールや薬に依存していく。(©シネマトゥデイ)
(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL |
感想&見どころ
正に鬼才。美の怪物が新たなトレンドを生み出す時は、僕らには想像も出来ないエネルギーを要するのだと感じた。そこで疲れ果てた精神を回復させるために酒やドラッグに明け暮れる。時に狂気の沙汰と思われる行動にも出るが、常人には理解できないだけで、それもきっと彼の閃きに必要なアクションなのかもしれないと思わせられる。存在しないはずの蛇が急に部屋に登場するシーンがあるのだが、きっとこれも天才にしか見えないひらめきの世界なのだろう。
(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL |
エレガントで美しい綺羅びやかな世界
世界的トップファションブランドの全盛期を舞台裏から見せてもらっている様な仕上がりとなっており、とにかく目に入る世界が美しい。美形なモデルたちが着こなす色鮮やかな衣装を見ているだけで別世界に感じる。
想像もつかないような闇や苦労の果てに、美しき怪物イヴ・サンローランがフランスというファッションの歴史が根強い地でその才能を大いに発揮する様を見るのは爽快!
(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL |
美しさの裏に隠されていた知られざる苦悩
裕福な家庭で育ったと言われているイヴ・サンローランは、大きな苦労をする事なく生まれつきのセンスを活かし大成功を収めたというイメージを勝手に持っていたが、まさかこの様な暗黒の苦悩が隠されていたとは意外だった。ライバルがいない彼は、常に新しい物を追求しようと、永遠に終わる事のない自分自身との戦いを繰り広げる。ショーが近づいているのにデザインが出てこないとなると、医者からもらった薬で昼をしのぎ、夜は酒とドラッグでトリップし、ゲイ仲間と肉体関係を持つという日々を送る。とくに夜のシーンは曲のチョイス、そしてボリュームの絶妙な上げ下げにより、まるで見ているこっちもトリップしているような感覚にさせられる。
(C) 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL |
華やかさの裏に隠された真実を明かす事で、イヴ・サンローランという人間がリアルに描かれているため、普通の伝記映画と比べて一癖も二癖もある興味深い作品。
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イヴ・サンローランは大の犬好きであり、生涯で4匹もフレンチ・ブルドッグを飼ったと言われている。本作品でももちろん愛犬のMoujikが登場し、犬たちが彼にとってどれほど大切な存在であるかもしっかりと描かれていた。
エレガントで美しい綺羅びやかなフランスファッション界が圧巻!
日の怪物がが持つ美しさの裏に隠されていた知られざる苦悩にも驚愕!
【帰国子女の洋画レビュー】『サンローラン』
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— 落合弘幸 Hiroyuki Ochiai (@Hiroyukiochiai) 2015, 12月 7
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