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2012年3月4日日曜日

ヒューゴの不思議な発明 (HUGO)




鑑賞日:March 4th, 2012
個人的評価: 88点

参考情報

オスカー受賞作『ディパーテッド』など数々の傑作で知られる世界的巨匠、マーティン・スコセッシ監督が初めて3Dでの撮影に挑んだ本格ファンタジー。世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの小説を原作に、父親が残した機械人形に隠された秘密を探る少年の冒険を描く。主演は『縞模様のパジャマの少年』のエイサ・バターフィールドと、『モールス』のクロエ・グレース・モレッツ。共演にはジュード・ロウ、『ブルーノ』のサシャ・バロン・コーエン、ベン・キングズレーら豪華な顔ぶれがそろう。

ストーリー

1930年代のパリ。駅の時計台にひそかに住む孤児の少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)の唯一の友達は、亡き父が残した機械人形だった。壊れたままの人形の秘密を探る過程で、彼は不思議な少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)とジョルジュ(ベン・キングズレー)に出会う。やがてヒューゴは、機械人形にはそれぞれの人生ばかりか、世界の運命すらも変化させてしまう秘密があることに気付き…

感想

第84回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響編集賞などの技術賞を総ナメした作品なので当然期待度は高かったが、確かに撮影・編集・演出などの技術は素晴らしかった。
本作品のストーリーは非常にシンプルで、これといってファンタジーっぽい箇所は実はあまり無い。だがスコセッシ監督ならではの華やかで美しい映像で描く、魔法のような世界感が何故か自然とワクワクドキドキさせてくれる。
演出や音楽のセンスが非常に良くて、目を閉じても世界観がイメージ出来てしまう程のこだわりが感じられた。エンディングの最後まで詰まった音楽を中心に表現されたそのこだわりに注目してほしい。
ちなみにキャストの演技力にはそんなに期待しない方が良い。天才子役とかもいないからそのつもりで見た方が良いです。
そしてタイトルは英語タイトルと同じく「HUGO」のままにしておくべきだ。何故「不思議な発明」とつけたのか全く分からん。きっと見れば同じ事を思うはずです。

また、主人公ではないが、本作品では映画の創生期において様々な技術を開発した人物であるフランスの映画製作者、ジョルジュ・メリエスが話の柱として登場する。ちなみに彼に関する部分はほとんど実話だと思われる。
本作では1930年代で既にストップモーション等の技術を駆使し、今のVFXの基盤ともなっているSFX に相当するものを映像制作に導入したメリエスの画期的な初代映画作品が多数登場する。
人類が初めて映像に出会った衝撃を想像するだけでもちょっと楽しくなってしまうが、その動画にアイディアを加え、人々を魅了する作品を作り出す所から映画の歴史が始まった。そんな歴史も上手く作品内に収められており、映画好きの自分としては非常に興味深かったし、映画の魅力と奥深さを改めて認識させられた。

映画の基本的な素晴らしさに触れる事ができるこの作品はお薦めです。


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