鑑賞日:April 6th, 2013
個人的評価: 84点
参考情報
監督作『預言者』がカンヌ国際映画祭やセザール賞を席巻したジャック・オーディアール監督が、オスカー女優マリオン・コティヤールを主演に迎えた人間ドラマ。事故で両脚をなくし絶望し切ったヒロインが、粗野なシングルファーザーとの触れ合いを経て生きる希望を取り戻していく。マリオンの相手役には、『闇を生きる男』のマティアス・スーナールツ。膝から下を失う大事故に見舞われながらも、再び力強く歩み始めるヒロインの姿が胸を打つ。
ストーリー
南仏の観光施設でシャチの調教師をしているステファニー(マリオン・コティヤール)は、ショーの最中に事故に遭い、両脚の膝から下を失ってしまう。失意の彼女を支えたのは、不器用なシングルファーザーのアリ(マティアス・スーナールツ)だった。粗野だが哀れみの目を向けずフランクに接してくる彼と交流を重ねるうちに、ステファニーは次第に生きる希望を取り戻していく。(C) Why Not Productions - Page 114 - France 2 Cinema - Les Films du Fleuve - Lunanime |
感想
とにかくマリオン・コティヤールの美しさが印象に残る。また、フランス語で話す彼女に、いつもとは違う魅力を感じる事ができる、
事故で両脚をなくし絶望した女性が一人の男性と出会い、生きる希望を取り戻していく姿を描くヒューマンドラマとあらゆる所で紹介されているし予告編もそんな感じだが、どちらかと言うと主人公は男性の方で、彼が人生の大きな出来事を経験する事によりどう成長していくか表現した作品だ。
(まぁ「主演:マリオン・コティヤール!」って書けば映画を見てくれる可能性が高くなるからだろうけどね)
これが本当の純粋さだと思わせるほど、男はやりたい事をやるし、言いたい事をいつでも言う。
両足を失ったばかりの女性に対して「泳ぎたくなったから俺は今から泳いでくるけど一緒に泳ぐ?」と誘ったり、「セックスしてみる?」等の質問を何も考えずにサラッとしてしまうどこか動物的な男だ。
好きな様に生きるためちゃんとした仕事もなく、妻とも別れ、姉の家に転がり込み、挙句の果てには引き取った子どもの世話さえもあまりしないどうしようもないダメ男だ。
そんな彼の純粋な行動に接したヒロインが少しずつ惹かれていくと同時に、両足を失ったショックからも立ち直っていく様は美しい展開だった。
ただ、それ以上にこのどうしようもない男が自分勝手な行動で周りの人々を深く傷つける事により、自らの欠点にようやく気付いていき、改善を考え、行動するというシーンに感動する。
どうしようもないと言われている人達は実はしっかりとした能力を持っているのだが、それを存分に発揮するためのキッカケに出会えていないだけなのだろう。
いつかどこかで自らの愚かさに気づき、改善をするのではないかとそんな希望が湧いてくる作品でした。
ちなみに主人公が転がり込む姉の家にはブリーダーから有料で一時的に預かっている子犬たちがいて、主人公の息子と仲良くなるシーンがある。
貧乏だが、そんな事を忘れてしまう犬とのひとときに和むよ。
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