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2013年11月16日土曜日

悪の法則 (The Counselor)





鑑賞日:November 16th, 2013
個人的評価:94点

参考情報


マイケル・ファスベンダーブラッド・ピットペネロペ・クルスキャメロン・ディアスハビエル・バルデムという豪華スターが共演した心理サスペンス。欲望に駆られて裏社会のビジネスに手を出した弁護士とその仲間たちが、危険なわなにハマり否応なく堕ちて行く姿を描き出す。メガホンを取るのは『ブラックホーク・ダウン』などの巨匠リドリー・スコット。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。


ストーリー


メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)も交えて新ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが…

(C) 2013 Twentieth Century Fox

感想


リドリー・スコット監督×『ノーカントリー』脚本家という時点で既に豪華だが、それに加えキャメロン・ディアスブラッド・ピットペネロペ・クルスハビエル・バルデムマイケル・ファスベンダーら「超」豪華キャストが共演する注目の作品だったが、想像以上の内容でもう脱帽です。
ハッキリ言って裏社会を生々しく描いた本作品は一般ウケする様な無難な内容では決してない。
それなのにこの豪華キャストを集めてこういった作品を作り上げる事ができるのは35年間も映画製作に関わってきた巨匠リドリー・スコットだからではないだろうか。

息を呑むシーンが多々あり、裏社会のリアルな描写からホラー映画以上の恐怖を感じた。
もうエンドロールが流れだした時には心臓がバクバクしてるぐらいハラハラしたし、とにかく怖かった。
裏社会には一般人が理解できないようなルールがあるという事でタイトルが「悪の法則」となっているが、原題は「The Counselor」。主人公が弁護士(アメリカでは弁護士をカウンセラーとも呼ぶ)なのでそういったタイトルだと思っていたが、蓋を開けてみると本作品のテーマと深く結びついたよく考えられたタイトルとなっている事に気づくだろう。
作品を見る事により、今までに想像もしなかった世界を知る事になるし、抱いている世界観が広がる事は確実だ。そして何より、そういった世界が存在する事を受け入れた後に、どのようにして自分なりに向き合うべきかについても深く考えさせられる。

主要キャストには全員30代後半以上の年齢であるが、このテーマはこれぐらいの人生経験を持った人で無いと、リアルに演じる事が出来ないのかもしれない。

なお、ペネロペ・クルスもとあるインタビューで以下の様に語っていたらしい:
映画は人々に何をすべきかを教えたり、世界を変えたり、教訓を垂れたりするのが目的ではないけど、この映画で語られる問題は重要なテーマであり、今でも続いていることなの。それを責任ある態度で扱うことは大事だと思うわ。
本作品に隠れ潜むテーマはきっとそれだけ深く、生々しい現実なのだろう。
そしてこういった世界を知らない人が世の中には多すぎる。
まずは把握、理解、そして自分なりに納得した上で、ペネロペが言うように責任ある態度で扱う事が大切だと自分も強く感じた。


ちなみに悪人に犬は付き物なのかは分からないが、大型犬が多数登場して可愛かった。
とにかくこの映画は超オススメです。


2013年11月9日土曜日

キャリー (Carrie)





鑑賞日:November 9th, 2013
個人的評価:59点

参考情報

1976年にブライアン・デ・パルマ監督の実写版もヒットした、人気ホラー作家スティーヴン・キングの代表作を再映画化。念動力の持ち主であるいじめられっ子の少女が、抑圧されていた怒りや苦しみを爆発させたことから起きる恐怖と悲劇を描く。『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが、悲壮な運命をたどるヒロインを熱演。監督は、『ボーイズ・ドント・クライ』のキンバリー・ピアース。念動力がさく裂してプロムが地獄と化す悲惨なクライマックスには、ただただ圧倒される。


ストーリー

狂信的クリスチャンの母親から厳しい教育を受け、学校では周囲から疎外されている女子高生キャリー(クロエ・グレース・モレッツ)。彼女は、激しい興奮状態に陥るとある能力を使うことができるテレキネシスだった。それを誰にも打ち明けることなく、キャリーはつらく寂しい日々を送っていた。そんな中、ひょんなことから彼女は女生徒たちの憧れの的であるトミーとプロムパーティーに参加することに。喜びに浸るキャリーだが、その裏では彼女への残酷ないたずらが計画されていた。

感想

「なんでこの作品のために来日までしてプロモーション活動を行ったのだろう」とつい考えてしまうほどのB級映画でした。

人気ホラー作家スティーヴン・キングの代表作であり、今回の映画も過去に実写化したモノのリメイクだと聞いていたが、期待に反してストーリーもホラー感も中途半端だった。

ただ、高校生役のクロエ・グレース・モレッツが見れるし、何よりプロムの準備にドキドキするアメリカの青春シーンが描かれているのでクロエ好きにはたまらないのではないだろうか。

個人的にはプロムが地獄化するというシーンがアメリカ人にとって非常に強烈な印象を残したので小説もヒットしたのではないかと勝手に思っている。

あと、残念ながら犬は一切登場しません。


2013年11月2日土曜日

セブン・サイコパス(Seven Psychopaths)





鑑賞日:November 2nd, 2013
個人的評価:80点

参考情報

ヒットマンズ・レクイエム』で高い評価を受けたマーティン・マクドナー監督が、コリン・ファレルと再びタッグを組んだクライムコメディー。スランプ中の脚本家が、自分を助けようと奔走する役者によってトラブルに巻き込まれるさまを、ブラックユーモアと共に描く。共演にはベテランのクリストファー・ウォーケン、『月に囚われた男』などのサム・ロックウェル、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソンら豪華キャストがそろう。

ストーリー

脚本家のマーティ(コリン・ファレル)は、新作『セブン・サイコパス』の執筆に行き詰まっていた。 親友のビリー(サム・ロックウェル)は脚本執筆の手助けをしようと、マーティに事前に相談することなく、ネタ集めのためにサイコパス募集の広告を出す。その後、ウサギを持つ殺人犯、犬をこよなく愛するマフィア、殺し屋が集まるのだが…

感想

反社会的人格の一種を意味する心理学用語である「精神病質」。
その精神病質者の事を英語では「サイコパス」と言う。

今回のストーリーは映画脚本家が「7人のサイコパス」というタイトルで脚本を書き始めたが、全く進まない様子を見て心配した友人が実在する「サイコパス」を呼んだり、紹介したりしながら脚本が出来上がっていくという珍しい設定だ。

「サイコパス」って確かに普通の人には理解できない行動を取る事が多い。
でも向き合ってみると彼らもちゃんとした人間であるという事が分かるし、自分なりの考えを持って行動している場合も多い。
彼らはただ他とは違う体験を人生において多くしてきただけなのである。

でもやっぱ人殺しの「サイコパス」が隣にいると怖いよね。
そんな不安をよそに「サイコパス」達があり得ない事件を次から次へと起こす展開はテンポが良くて面白かったし、最後まで楽しませてくれる。

なお、脚本家マーティ(コリン・ファレル)の親友であるビリー(サム・ロックウェル)は犬を誘拐するビジネスをしているのだが、これが悪党が考えたにしては非常に頭の良いアイディアだと思ってしまった。簡単に説明すると手順はこうだ。

  1. 飼い主がちょっと目を離した隙に犬をステーキ等の肉でおびき寄せ、さらってしまう。
  2. 飼い主が「この犬探してます」という張り紙を出し始めるまで犬は家でゆっくり遊ばせておく。
  3. 張り紙が出たら「犬を見つけました」といって無事に届ける
  4. 号泣しながら喜ぶ飼い主はぜひ御礼を受け取ってくれといい数百ドルくれる
まぁこの方法でとあるマフィアの犬をさらってしまい、それが色々な事件に繋がるんだけど、そういう意味でも最初から最後まで犬にスポットライトが当たっていたのも良かった。また犬は一切いじめられる事なく最後までリラックスしていたのも素敵だった。


ちょっと変わったストーリーの映画を見てみたい方はオススメです。
コメディタッチもあるのでクスッと笑える部分もあるよ。