鑑賞日:January 27th, 2013
個人的評価: 84点
参考情報
世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を、『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化。動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、どう猛なトラと一緒に救命ボートで大海原を漂流することになった16歳の少年のサバイバルを描く。主演は、オーディションで選ばれた無名のインド人少年スラージ・シャルマ、共演にはフランスの名優ジェラール・ドパルデューが名を連ねる。227日間という長い漂流の中で、主人公がどのように危機的状況を乗り越えたのかに注目。
ストーリー
1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて…(C) 2012 Twentieth Century Fox |
感想
第85回アカデミー賞に11部門でノミネートされている本作だが、想像以上だった圧倒的な映像美に心を打たれた。漂流のキッカケとなる嵐のシーンでは豪快な豪雨に玩具の様に飛ばされる人間が描かれていて、自然の壮大さと恐ろしさを同時に体感できる。
また、シーンのほとんどがトラとボートと海しかないのにも関わらず、あらゆる動きを色々な見せ方で表現し、退屈させないための工夫が感じられた。
個人的にはトラを含め、登場する全ての動物たちの非常にリアルな動きに感動した。
ああいう映像は一体どうやって撮るんだろう…
このストーリーは主人公のパイの気持ちになって見れるかどうかでテーマの見解が随分と異なると思うが、正解は無いはずなので、客観的に見ても主人公の目線で見ても楽しめるだろう。
内容的には哲学的な訴えが強かったと感じた。
自分が何を信じているかによって作品の見方は大きく変わるし、印象に残るメッセージも違うだろう。危機的状況を共に過ごしたトラは敵なのか?友なのか?もしくは家族?それとも…
映画を良く見る人にとっては結構面白い内容だと思うのでお薦めです。
ちなみに犬は全然でてこなかったですが、当然トラを含め色んな種類の動物たちが登場します。特に冒頭では動物園の紹介が少しあるので癒される。