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2015年2月26日木曜日

6才のボクが、大人になるまで (Boyhood)





鑑賞日:February 25th, 2015
個人的評価:96点

参考情報


ビフォア』シリーズなどのリチャード・リンクレイター監督がメガホンを取り、6歳の少年とその家族の12年にわたる軌跡をつづった人間ドラマ。主人公を演じた新星エラー・コルトレーンをはじめ、主要人物4人を同じ俳優が12年間演じ、それぞれの変遷の歴史を映し出す。主人公の母をパトリシア・アークエット、母と離婚しアラスカに行ってしまった父をイーサン・ホークが熱演。お互いに変化や成長を遂げた家族の喜怒哀楽を刻み付けた壮大な歴史に息をのむ。(©シネマトゥデイ


ストーリー


メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れ…(©シネマトゥデイ

感想


第87回アカデミー賞®では主要6部門にノミネートされ、パトリシア・アークエット助演女優賞を受賞した事で今まさに話題となっている作品。映画史上初と言われる壮大なチャレンジの末に完成した芸術的な傑作。こんな映画は観た事がないし、生きている内にこの様な映画に再び出会うことは無いかもしれない。

本レビューでは特に印象に残った以下の3ポイントを紹介します。
  • 12年の歳月が生み出した究極のリアリティ
  • 映画の常識をぶち壊す勇気
  • 見終わった後に見える「大人」の世界
それではさっそく1つずつ語っちゃいます!

12年の歳月が生み出した究極のリアリティ


同じメインキャストを12年間をかけて撮り続けた画期的な手法を用いており、長い歳月をかけて順撮り(ストーリーに沿って順を追って撮影を進める手法)する事によりそれぞれの役の変化と成長を感じながら楽しめる。
本当にこの家族が存在し、こういう生活を送っていると信じこんでしまうほどリアリティが追求されていた。

リチャード・リンクレイター監督は舞台ともなっているヒューストンの出身である事もあり、地元に住む家族の生活を生々しいほど現実的に描く事に成功している。

映画の常識をぶち壊す勇気


映画とは現実世界ではあり得ないような展開、または嘘の様な真実の話を映像化するものだという認識が一般的に強くなっている。しかしこの作品はその固定概念をぶち壊すために12年もの時間を費やしている。

本作を0点と評価する人がいても自分は驚かない。
だって3時間近くの上映時間内で何も特別な出来事が起きないのです。
リアルを追求したからこそ、映画ならではの劇的な展開が全くない。
12年もかけた大作なのに、あくまでも尖った内容で攻め続けた製作陣は本当に凄い。
0点をつけられても構わないから、自分が作りたい作品を完成させるという強い思いと勇気があったからこそ、映画史に名を残す作品が出来上がったと思う。

観終わった後に見える「大人」の世界


前のポイントで説明した通り何も特別な事は起きないのですが、多くの男性が子ども時代に体験した事のある「普通の出来事」が約3時間も延々と続く。

両親のマジケンカを目撃したり、反抗期に親へとぶつかったり。友達とエロサイトを開いたり、お酒をコッソリと飲みながら男友達と下ネタを得意げに話したり。彼女が出来たり、フラれたり。誕生日や卒業日に家族みんなに祝ってもらったり。

集中して見る必要のない何でもない展開が約3時間も続く事により、観ている人達はきっと自分の子ども時代を振り返ってしまうだろう。恐らくほとんどの人が時間をかけて真剣に自らの人生を思い返したはずだ。
自分のアイデンティティがどういう人達に囲まれて、そしてどういう出来事の重なりにより形成されたのかが何となく見えてくる。
そして周りの人がどういう気持ちで子どもであった自分と向き合ってくれていたのかという点にも気づく事でしょう。

子ども時代の自分を客観的に見つめなおす事により、観終わった後には本当の大人になれた気がした。見えてくる世界も少し変わったと思います。そういう意味で、人として成長させてくれる作品です。

人は死ぬ直前に自らの人生を走馬灯のように駆け巡ると言われているが、この作品を見ている時はそれと同じ様な状態になると思う。この体験は言葉ではこれ以上表せないので、是非劇場で観てほしい。




0点か100点で評価が完全に分かれるタイプなのでハズレと感じる人もいるかもしれないが、騙されたと思って一度観てみてください。すぐに分からなくとも、いつかこの映画を観て良かったと感じるはず。

死ぬ前にまた見返したい作品が増えました。
「Boyhood」の後を描いた続編の噂もありますが、それも楽しみです。


なお、主人公が祖父母の家に遊びに行った時に大型犬がシッポを振って出迎えてくれるシーンがありますが、それ以外でワンちゃんは登場しませんでした。

2015年2月21日土曜日

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ (Fifty Shades of Grey)





鑑賞日:February 21st, 2015
個人的評価:65点

参考情報


主婦が趣味で執筆しインターネットにアップした小説が評判を呼び、全世界でベストセラーとなった官能小説を映画化。巨大企業の若き起業家である男前のCEOと、恋愛未経験の女子大生の倒錯した恋愛模様が展開する。メガホンを取るのは、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』の女性監督サム・テイラー=ジョンソン。CEOにファッションモデル出身で『マリー・アントワネット』などのジェイミー・ドーナン、ヒロインには『ニード・フォー・スピード』などのダコタ・ジョンソンがふんする。(©シネマトゥデイ


ストーリー


平凡な女子大生アナ(ダコタ・ジョンソン)は学生新聞の取材のため、巨大企業の若手CEOのグレイ(ジェイミー・ドーナン)を訪ねる。誰もが心惹かれてしまいそうな容姿でばく大な富を持つグレイは、「君のことを知りたい」と引っ込み思案で恋愛未経験のアナに興味を示す。次第に二人が親密になっていったある日、グレイの自宅に呼び出されたアナは衝撃的な契約を持ち掛けられ…(©シネマトゥデイ

感想


トワイライト」シリーズを見てティーンの恋愛にときめいた女性の客層を、今度はちょっと大人の恋愛シリーズで取りにいったなぁという印象。完全に女性向けに作られており、若くて超金持ちのイケメンなジェントルマンCEOという女性の想像の世界にしか存在しないような設定の男性像が描かれている。これでまた女性が男性に求めるハードルがグンと高くなると思われる(笑)

© http://www.cinematoday.jp/movie/T0019395/photo/

個人的にはヒロインを演じたダコタ・ジョンソンがヌードを披露するなど、この作品で一皮むけたなと感じました。ニード・フォー・スピードに出演した時と比べると世間に与えたインパクトは比べ物にならない。あと大学生だけど超エリートをある意味虜にする謎の魅力を上手く惹き出せてたのではないだろうか。

あと、今どきの超金持ちがどういう家でどういう生活をしているのかが垣間見えた点も面白かった。ただ働いているシーンがほぼ出てこないのビジネスマン的にはどういう生活を送っているのかが分からなくて残念。まぁ小説を書いたのが主婦だからしょうがないか。

© http://www.cinematoday.jp/movie/T0019395/photo/

あと「トワイライト」シリーズでもそうだけど、この手の話は1作品では終わらずに長年かけて完結するシリーズとなる傾向が最近強い。そういう意味では第1作となる本作では出し惜しみが多いのではないかと感じてしまい、正直物足りなかった。




まぁとにかくエッチなシーンが大半の映画なのでそういう意味では珍しいです。
でもかといって過激なシーンはそんなに無いのでギリギリR15指定という感じでしょうか。中高生はこれを見てきっとキャーキャー言ってると思いますので若いには最高に楽しいと思います。


なお、ワンちゃんは特に出てこなかったです。
金持ちの家にワンちゃんはつきものだと思ってましたが、今どきの金持ちは違うのかな…

2015年2月14日土曜日

ミュータント・タートルズ (Teenage Mutant Ninja Turtles)





鑑賞日:February 14th, 2015
個人的評価:84点

参考情報


忍者の扮装をしたカメのヒーローたちの活躍を描き、アメコミやアニメ、映画化で人気を博した作品を、マイケル・ベイ製作で実写映画化したアクション。ニューヨークの地下道に暮らし、悪から街を守るべく戦うタートルズたちの勇姿を活写する。メガホンを取るのは、『世界戦略:ロサンゼルス決戦』『タイタンの逆襲』などのジョナサン・リーベスマン。『トランスフォーマー』シリーズなどのミーガン・フォックスや、『俺たちフィギュアスケーター』などのウィル・アーネットなどが出演する。ベイらしい迫力満点のアクションシーンが期待できる。(©シネマトゥデイ


ストーリー


ニューヨークで悪事を働く犯罪組織フット団を追っていたテレビレポーターのエイプリル(ミーガン・フォックス)は、ある日、強盗に入ったフット団をこらしめる何者かの姿を目撃する。数日後、エイプリルは別の現場でフット団をやっつける何者かに遭遇。撮影に成功するも、そのヒーローたちの正体は人間の言葉を話し、体長180センチもあるカメだった。(©シネマトゥデイ

感想


懐かしくて少年時代の思い出が蘇った。
デカくてゴツイタートルズのド派手なアクションシーンが非常にカッコ良い!

アニメ版でも登場するエイプリル(April O'Neil)を演じたミーガン・フォックストランスフォーマーで見せたセクシーさを少し封印し、新たなスタイルに挑んでいた気がした。美人なのでテレビ局のアナウンサーという設定もピッタリ。

マイケル・ベイ製作という事で「キモカッコ良い」感じなタートルズでビジュアルも強烈。個人的にはアニメで見てたどちらかというと「キモかわいい」タートルズに馴染みがあるので違和感はあった。でも悪役の親玉であるシュレッダー(Shredder)はカッコ良さと怖さがキャラが合っていて実写版ならではの良さが浮きだってた。


あとプリズン・ブレイクのマホーン(Alexander Mahone)役で有名になったウィリアム・フィクナーもいつも通りの悪役で相変わらずハマってた。

※以下音楽作品を購入するにはiTunesのアメリカアカウントが必要です



テレビアニメのテーマ曲が使われていなかったのは個人的に残念だった。時代と共に音楽のスタイルも進化したからしょうがないけど、誰かリミックスして現代版を作ってくれたら最高だった。

超懐かしくなると思うので知ってる人は以下をどうぞ:
Teenage Mutant Ninja Turtles ♪
Teenage Mutant Ninja Turtles ♪
Teenage Mutant Ninja Turtles ♪
Heroes in a half-shell
Turtle power!!


なお、ワンちゃんは特に出てこなかったと思います。


2015年2月11日水曜日

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 (MORTDECAI)





鑑賞日:February 11th, 2015
個人的評価:55点

参考情報


キリル・ボンフィリオリの小説「チャーリー・モルデカイ」シリーズを、ジョニー・デップ主演で映画化。ジョニー演じる口ヒゲをたくわえた美術商チャーリー・モルデカイが、イギリスの諜報機関MI5の依頼を受け捜索していた絵画に、世界中を驚がくさせる財宝の謎が隠されていたことから、マフィアや国際テロリストも絡む争奪戦に巻き込まれていく。『シークレット ウインドウ』でジョニーとタッグを組んだデヴィッド・コープが監督を務め、グウィネス・パルトローユアン・マクレガーらが共演を果たす。(©シネマトゥデイ


ストーリー


うさんくさいちょびヒゲをたくわえたうんちく好きな美術商チャーリー・モルデカイ(ジョニー・デップ)は、イギリスの諜報機関MI5に依頼されたゴヤの名画の捜索に乗り出す。屈強な用心棒ジョック(ポール・ベタニー)と共に盗まれた名画の行方を追うが、その絵にはとんでもない財宝の秘密が隠されていることがわかり、マフィアや国際テロリストも絡む大争奪戦となる。(©シネマトゥデイ

感想


「笑いと興奮が止まらない、痛快アクション・アドベンチャー」と公式サイトでは紹介されているが、個人的にはミステリー・コメディーという印象でした。とにかく最初から最後まで滑りっぱなしのジョニー・デップが特徴的。

香港からスタートし、ロンドン、モスクワ、ロサンゼルスなど様々な国をまたぎ展開されるストーリーも楽しいです。

50代のジョニー・デップと40代のグウィネス・パルトローが夫婦役として共演しているのだが美男美女のカップルでこの二人は歳をまったく感じさせない。そしてやはりグウィネス・パルトローは美しい。アイアンマンシリーズでやり手の美人キャリアウーマンの役がハマってからそれを他作品にも展開しはじめた気がする。

今回の主人公は結構どうしようもないダメ男って感じなんだけど、何故か
彼に尽くす超優秀な用心棒をポール・ベタニーが演じている。彼はマッチョでイケメンなおじさんで、劇中には何度も美女とセックスをするモテ男でもある。

何でそんなにモテるのかとか、なぜダメダメなモルデカイにこんなにも尽くすのかなど謎が多いため、個人的にはこのキャラクターが一番好きでした。

© http://www.cinematoday.jp/movie/T0019500/photo/

元が小説なので映画では表現しきれない部分が多々あるかとは思うので、興味がある方は小説を読んでみてください。もう作者は亡くなって天国に行っていますが、映画化された事でさぞ喜んでいる事でしょう。


ジョニー・デップの作品としてはインパクトに欠ける内容でした。

予告編やポスターなどに使われるモルデカイのビジュアルは興味をそそるキャラに出来ているので正直期待外れでした。


モルデカイ夫婦が住む豪邸にコーギーの赤ちゃんが登場したり、アメリカの豪邸で番犬を務めるドーベルマンなども出てきますのでお楽しみに。

2015年2月7日土曜日

エクソダス:神と王 (EXODUS: Gods and Kings)





鑑賞日:February 7th, 2015
個人的評価:77点

参考情報


旧約聖書の出エジプト記に登場する、モーゼのエピソードをベースにしたアドベンチャー。紀元前のエジプトを舞台に、王家の養子として育てられた男モーゼがたどる数奇な運命と壮絶な戦いを活写する。メガホンを取るのは、『グラディエーター』『プロメテウス』などのリドリー・スコット。『ザ・ファイター』などのオスカー俳優クリスチャン・ベイル、『華麗なるギャツビー』などのジョエル・エドガートンを筆頭に、実力派やベテランが結集。砂漠を埋め尽くすエジプトの軍勢や割れていく紅海など、スケールの大きなビジュアルも見もの。(©シネマトゥデイ


ストーリー


紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。(©シネマトゥデイ

感想


リドリー・スコットが自身の監督作として過去最大の予算を投じて制作された大作スペクタクルアクション。古代から伝わる昔話がリアルな映像で描かれており、歴史も学びながら楽しめる作品。上映時間は2時間半と結構長いので3Dで見るとちょっと疲れてしまうかもしれません。

かつては将軍として王の右腕として活躍した男モーゼが、自分がその国では奴隷として扱われているヘブライ人であるという事が暴かれ、国を追放される。それから数年が経ってから母国に戻り、奴隷として過酷な生活を送っている40万人の同胞を救うために立ち上がるクリスチャン・ベイルのリーダーっぷりがカッコ良い。日本でリーダーと呼ばれている人たちにぜひ勉強してもらいたい。

© http://www.cinematoday.jp/movie/T0017348/photo/

旧約聖書の出エジプト記をもとにしているんだけど、その話でも有名な「十の災い」が大きく取り上げられている。蛙をが国中を埋め尽くすシーンなんて気持ち悪かったけどよく出来てた。

© http://www.cinematoday.jp/movie/T0017348/photo/

個人的に好きだったのは冒頭のシーンでも強調されてた、王であるラムセスとその右腕として活躍するモーゼの関係。兄弟の様にお互いを慕ってた2人が最後はお互いの国民を守るために戦うという展開はたまらなかった。




ちょっと色々と盛り込み過ぎている感があり、中途半端にしか組み込めていないシーンがあった。でも総合的には満足度の高い作品です。


ちなみにモーゼが国を追放された後にたどり着く村で、羊飼いのサポート役として活躍するワンちゃんが登場する。何千年も前からワンちゃんは人類を支えている事が分かる素敵なシーンでした。