鑑賞日:March 17th, 2012
個人的評価: 92点
参考情報
イギリス初の女性首相として強力なリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャーを、『クレイマー、クレイマー』『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープが演じる人間ドラマ。1979年の就任以来、強気の姿勢でイギリスを導いて“鉄の女”と称されたサッチャーの誰もが知る姿と、その裏に隠された孤独な一面を繊細に描き出す。監督は、『マンマ・ミーア!』でメリルと組んだフィリダ・ロイド。サッチャーの夫を、『アイリス』や『ハリー・ポッター』シリーズのジム・ブロードベントが演じる。
ストーリー
1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)が女性初のイギリス首相となる。“鉄の女”の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。
感想
この作品で第84回アカデミー賞主演女優賞を受賞したハリウッドきっての演技派メリル・ストリープの渾身の演技がとのかく最高だった。
鉄の女と呼ばれるほどの強靭で決してブレる事のない意志を持つサッチャーのを実に見事に演じきっていた。
サッチャーは任期を終えたあと認知症になる、表舞台から姿を消したと言われているが、この作品では首相を退任したあとのサッチャーの心情なども描かれており、鉄の女がいかにしてその異名を勝ち取ったか、そしてその代償が何だったのかが実にユニークな視点、そして手法で表現されていた。
「多くの人が賛同するアイディアが正しい訳ではない」、「何をするかよりも、誰になるか(Nobody tries to do something, they just try to be somebody)」など、印象的なフレーズが多々あったが、個人的にはこのサッチャーの考え方は非常に好きだ。
サッチャーの考え方は日本では恐らく好まれないものであり、そういう意味ではこの映画を面白いと思う人は少ないのかもしれない。「みんなの党」支持者であれば彼女に賛同するかもしれないですな。
例えば「国民が払うべき税金は所得の大きさに関わらず全員が同額を収める」という案についてどう思いますか?
「所得の多い人の方が多く払うべきだ」と多くの人が叫ぶと思う。だが自分はこの案に大賛成だ。イギリスや日本の様に国民が裕福な国ならば、個人の頑張り次第で自分の人生はいくらでも豊かになる。頑張って成功した人が多くの税金を納め、努力をしなかった人が優遇されるのは都合が良すぎる。
ちょっと話がズレてしまいましたが、サッチャーはこういったアイディアを出す人であったため、「血も涙もない女」とも呼ばれていた。
そんなサッチャーも普通の人間であり、母親であり、妻である。そういった今まで見る事の出来なかった彼女のプライベートな部分にもこの作品では是非注目してほしい。
とにかく面白かったです。
0 件のコメント:
コメントを投稿