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2015年10月16日金曜日

ヒトラー暗殺、13分の誤算 (Elser)





鑑賞日:October 16th, 2015
個人的評価:82点

参考情報


ある男が単独でナチスドイツの独裁的指導者アドルフ・ヒトラーの暗殺を企てた史実を基に、男が犯行に至る過程や処刑が延びた理由など数々の謎に迫る戦争ドラマ。男の犯行までの生活ととらわれの日々を交錯させ、過激な犯行に及んだ男の心理や、第2次世界大戦直後から終戦直前まで男を生かしたナチスの狙いをひもといていく。監督は、『ヒトラー ~最期の12日間~』などのオリヴァー・ヒルシュビーゲル。主人公の勇気と信念が胸に迫るとともに、独裁政権の恐ろしさに戦慄する。(©シネマトゥデイ


ストーリー


1939年11月8日、ドイツ・ミュンヘンでナチス指導者のヒトラーの演説が行われた。演説を予定よりも早く終わらせ退場したヒトラーだったが、その直後、会場が爆破される。逮捕されたのは、ゲオルグ・エルザー(クリスティアン・フリーデル)という男だった。ゲシュタポは犯行の黒幕を吐かせようとエルザーを拷問にかけるが、彼は爆破装置の製作や設置を一人で行ったと告白する。(©シネマトゥデイ

感想&見どころ


序盤から手に汗握る展開の連続で、シーンが落ち着く度に僕を含めた観客が一斉に唾を飲んでしまうようなハラハラ映画。終始暗いだけでなく、女性への暴力や、囚人への拷問シーンが多々あるので観ていて心が痛くなる。
でもそんな状況なのに固い意志を持って1人で祖国ドイツに立ち向かう主人公の芯の強さに心が震える事になるでしょう。

ヒトラーが恐れた天才ドイツ人


本作の醍醐味は何と言ってもこれでしょう!
あの当時は泣く子も黙る天下のヒトラーが恐れた唯一のドイツ人。
ヒトラーがゲオルグ・エルザーの謎を暴こうと必死に問い詰めるのは、恐らく彼はゲオルグが自分と同レベル、またはそれ以上の天才であると心の中では認めたいたからではないかと個人的には考えている。
そういう意味ではゲオルグはヒトラー以上の視点からドイツとその未来を見越していた事になる。そう考えるとこの孤独で無名のヒーローには何が見えていたのかが気になってしょうがない。

もしもヒトラーが死んでたら


もしも演説が予定通りの時刻まで行われたら。もしもあのタイミングでヒトラーがいなくなり、ドイツの進む方向性がゲオルグの望む方向へと傾いていたら。
たった13分間の時間がドイツを、そして世界をどれほど変える可能性があったかを想像すると、ゲオルグのあの単独行動がどれほど巨大な影響力を持ったアクションだったかが伝わってくるだろう。

あの若さでそこまでを見据えた天才が描いたシナリオをぜひ最後まで観たいと感じた。

約80年前に実在した革新的なリーダー気質


終始暗い作品だが、唯一スカッとするのはゲオルグの人々を魅力するカリスマ性だ。
約80年前の話なのに、彼がまるで現代で求められているリーダーの模範例に見えてしまう。家具を手作りできるほど手先が起用で、時限爆弾などの高度な設定(プログラミング)も行える。歌や楽器演奏、ダンスまで得意で、女性の口説き方もスマート。そして何よりも自分の欲に走らず、「正しい」行動を例え1人でも勇気を持って実行する。

政治に不満を持ったら抗議(とりあえず文句を言うだけ)をするという若者が最近多いが、ゲオルグは本質を理解し1人で世界を変える大勝負に賭ける。政治に対して文句ばかり言っている人が行動を起こさない人達にぜひ彼の有志を見てほしい。

ドイツが隠し続けた真実が遂に明かされたが、なぜ今更この映画が作られたのかを考えながら観るとまた面白いと思う。
あとゲオルグ・エルザーを演じたクリスティアン・フリーデルの演技は最高でした。
デートには向かないけど、多くの人に観て欲しい作品です。

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なお、犬はそんなに出てこなかったと思う。

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