鑑賞日:May 27th, 2015
個人的評価:95点
参考情報
サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞受賞を筆頭に、さまざまな映画賞で旋風を巻き起こした音楽ドラマ。ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』などの脚本を手掛けてきた俊英デイミアン・チャゼル。主演は『ダイバージェント』などのマイルズ・テラーと『JUNO/ジュノ』などのJ・K・シモンズ。熱いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも圧倒される。(©シネマトゥデイ)
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。(©シネマトゥデイ)
ストーリー
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。(©シネマトゥデイ)
感想&見どころ
第87回アカデミー賞®で助演男優賞、録音賞、編集賞の3部門を受賞したにも関わらず評価は賛否両論という注目の話題作。スポーツや芸術などで血を吐くほど自らを追い込んでまで高みを目指した事のない人にとっては理解不能でクレイジーなシーンばかりの映画に思えるだろうが、僕ら体育会系にとっては痛いほど気持ちが分かる傑作だ。「体育会 = 筋肉バカ」と一度でも思った事のある人には是非みてほしい。とにかく最高に面白かったし、これは映画史に名を刻むでしょう。
現代では許されない超スパルタ指導
指導者目線で見ても非常に深い哲学的な部分が多々あるので、そういうマニアックな側面でも楽しめた。第3者から見たらフレッチャーの指導は狂気じみており、気に入らなければ椅子を投げつけるわ本気でビンタするわの体罰主義。現代における指導の現場では決して許されないやり方かもしれないが、上下関係の文化が根強い日本やアメリカの部活動ではこういった指導が当たり前だった時代がある。一見やり過ぎに見える指導だが、プレイヤーの潜在能力を最大限まで引き出すトリガーになる可能性が高いという意味では一理あるという見方もあり、決して完全否定はできない微妙なラインなのだ。これをこんなにも生々しく映像で表現できているのがとにかく素晴らしい。これほどハラハラする演奏シーンが出てくる映画は他にはないだろう。
世界で最も負けず嫌いな2人かも!
どんな分野でも、世界の頂点に立つ者はその過程で多くのライバルと競い合っており、その競争が自分の持つ実力以上の世界へと押し上げてくれる。本作品で競い合っているのはコーチとプレイヤーであり、しかもこの2人は恐らく世界トップクラスの負けず嫌い。お互いに最後の最後まで譲らないこの大勝負は世界一を目指すために必要な姿勢を教えてくれる。最終的にどっちが勝ったのかという点もファンの間では盛り上がってるので是非自分の目で確かめてほしい。
鼓動が熱くなる衝撃的な圧巻のラスト
そして何といってもエンディングが最高!!最後の10分はとにかく心拍数が高くなること間違いなし。彼女、家族、全てを投げ出した主人公が全身全霊で挑む最後の挑戦は言葉では表せないのでとにかく劇場で観てほしい。エンドロールが流れ終わっても自分の鼓動は収まらなかった。ネタバレはしたくないのでこれ以上は言えないが、こんなにも気持ちが熱くなるエンディングはみた事がない。予告編の構成、「Whiplash」というタイトル、全てが緻密に計算し尽くされた完璧なラストの虜になってしまう事でしょう。
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多くの人にとっては理解不能のクレイジーなシーンばかりの映画に思えるだろうが、僕ら体育会系にとっては痛いほど気持ちが分かる感動的な傑作! 【洋画レビュー】『セッション』(Whiplash) http://t.co/yBldzsXpBQ pic.twitter.com/sUMG8A6XkU
— 落合弘幸 Hiroyuki Ochiai (@Hiroyukiochiai) 2015, 6月 2